KANAKO SAKAI 2024年秋冬コレクション
“これまで執拗に避けてきたものを、あらためて自分で選び取る”
2022年にスタートした、デザイナー サカイカナコが手掛ける日本発の新鋭ファッションブランド〈KANAKO SAKAI(カナコ サカイ)〉が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W(楽天ファッション・ウィーク東京 2024秋冬)」にて2024年秋冬コレクションを発表。
コーンブラが鋭く突き出る暈色のビスチェや、ハート型にカットアウトされたレザーのショーツ。今季は、前シーズンの〈KANAKO SAKAI〉のイメージにあったクリーンで洗練された印象とは異なった、“女性的”な要素をメインとしたスタイルを発表。これまで、“自分のものであるはずなのに、自分のものでないよう”だとして、サカイカナコ自身が距離をとってきた本要素を全面に押し出したコレクションとなった。
今回、本コレクションを構築するにあたって着想源の1つとなったのは、マリリン・ヤーロム(Marilyn Yalom)の『乳房論』。「乳房は、時に乳児を養うものであり、時に男性に欲望されるものであり、あるいは時に、法のもとで隠すよう強いられるものであった。女性のものであるはずが、つねに誰かのものであった、この乳房というもの」。本書では、そんな西洋における女性の乳房の表象を振り返りながら、“女性性”が社会によってかたち作られてきたことに言及している。そんななかで、サカイカナコは“女性性”に限らず、自分という存在すらもが常に他者によって規定されてきたのではないか、と感じたという。今季の〈KANAKO SAKAI〉は、“そうして執拗に避けてきたものを、あらためて自分で選び取る”といった意志の表明でもある。
具体的なアイテムとしては、ツヤ感のあるシースルーのトップス、シルバーのパンツ、ラメの入ったニットやプリーツスカート、海のようなブルーのダブルジャケットとパンツのセットアップ、シルクのような素材感のスカートやジャケット、オールレースのドレス、一見スパンコールのようにも見えるレッドのファーのドレスなどや、さまざまなパターンのタイ、片耳だけに着けた大ぶりのピアス、同じようなデザインのバングル、チェーンベルトといった、コーディネートにアクセントを加える華やかな小物類がお披露目された。
ブランド:KANAKO SAKAI
シーズン:2024年秋冬
日付:3月13日(水)