FAF 初となるプレゼンテーションのバックステージに潜入
ストリートシーンの最前線で活躍するメンバーが一堂に会した舞台裏に密着
3月12日（火）、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W（楽天ファッション・ウィーク東京 2024秋冬）」にて行われた〈FAF（Fake ass flowers、フェイク アズ フラワーズ）〉2024年秋冬コレクションのプレゼンテーション。
「TOKYO FASHION AWARD 2024」受賞ブランドとして初となるショー形式でのプレゼンテーションを行った〈FAF〉は、クリエイティブユニット YouthQuake（ユースクエイク）のメンバーでもある、デザイナー Kazuho（荒井一帆）とディレクター Tsukasa（高林司）によるユニセックスブランドだ。2018年よりアパレルブランドとして〈FAF〉を立ち上げ、“都市と自然のコントラスト”をテーマに、ものづくりの可能性を追求しながら、現代のライフスタイルに寄り添うプロダクトを展開してきた。これまで、DJレーベル「Sound Sports（サウンドスポーツ）」や〈BlackEyePatch（ブラックアイパッチ）〉らなどのさまざまなパートナーとチームアップしており、現在は3つのラインよりオリジナルのアイテムを発表している。
そんな〈FAF〉の今シーズンのテーマは、“Recirculation（再循環）”だ。同ブランドがサブテーマに掲げている、“THENEWCOMMUNE（理想郷）”への逃避をベースに、過去に作成したコレクションアイテムのデザインやパターン、仕様などを改めて見つめなおし、改良やアップデートを加えることで、〈FAF〉が元来持っていたエッセンスを“再循環”させたアイテムやスタイルを提案した。今回のスタイリングを手掛けるのは、彼らと同じくYouthQuakeのメンバーでもあるKei Hashimotoだ。また、モデルには、プロボクサーの那須川天心をはじめ、ゆるふわギャングのNENE（ネネ）、ラッパーのYoung Coco、Tha Jointz （ザ ジョインツ）に所属するMFS、DJクルー FULLHOUSEのSAMO、アーティスト YAMEPI©としても活動するYAMATOと双子の弟であるTAKERUらや、これまでの同ブランドのルックやキャンペーンにも登場したTaro Imai、YouthQuakeに所属するBobby Yamamoto、田中竜馬、UTAらといった、同ブランドに親和性のあるメンバーたちが起用された。
この度『Hypebeast』編集部は、〈FAF〉のプレゼンテーションのバックステージへ潜入。控室からフィッティングルーム、フロアやステージまで、舞台裏の様子をカメラで捉えた。
会場となったのは、『渋谷ヒカリエ』のヒカリエホール A。フロアに入ると、まず一番に目に飛び込んできたのは、ブランドロゴが浮き彫りになった大きなフラワーアレンジメントだ。いくつものスポットライトが当てられたこのアレンジメントは、ブランドとも関わりの深いDJデュオ WASPのGen Yamadaが手掛けた環境音楽のようなBGMと相まって、神々しい雰囲気を放っていた。一方で、フロアの中央にはステージが設けられ、ステージ上には無数のスタンドマイクを配置。一見無機質なそのステージと背景となるアレンジメントの組み合わせは、同ブランドの“都市と自然のコントラスト”というテーマを表しているようにも思えた。
座席が埋まりプレゼンテーションが始まると、〈FAF〉2024年秋冬シーズンのアイテムを纏ったモデルたち全員がアレンジメント前の段差に並ぶ。全員が揃うと、1人ずつステージ上に設置されたマイクの中心に立ち、その周りを歩いていくといった、囲み取材やスピーチを彷彿とさせる演出を実施。後半になると、モデルたちが口を開き、実際に各々が思う“THENEWCOMMUNE”を自身の言葉で発表した。始めに声を上げたのは、デニムのジャケット、ウォッシュ加工が施されたオレンジのスウェットパンツ、“F”と刺繍されたチェックのキャップに身を包んだBobby Yamamoto。そのスタイルにマッチするようなミニブーケを持った彼が「みんなが笑顔に満ち溢れる、このお花たちのようなカラフルな世界」と話すと、後ろで並ぶモデルたちが拍手や歓声で会場を盛り上げる姿も。
Faf
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続けて、ショート丈のフーディとカーディガン、ハーフパンツ、ハイヒールという、シルエットのバランスを意識したスタイリングを纏ったNENEや、ダメージデニムと腰に巻いた千鳥柄のシャツに、〈FAF〉x〈SUBU（スブ）〉のコラボモデルを着用したYoung Cocoらが登場。そして、会場の熱気がピークとなるなかラストを飾ったのは、手に持ったオリジナルのボクシンググローブが目を引く那須川天心だ。彼は、パステルカラーのパッチワーク風ジャケットに、ロゴ入りスウェット、ショートパンツの柔らかな色味でまとめたコーディネートをお披露目した。那須川氏がマイクの前で「人々が手を取り合い、愛のある素晴らしい世界」と発表し、ランウェイを歩き終わると、それを合図とするようにステージ上にモデル全員が集結。その後、デザイナーのKazuhoとTsukasaが挨拶し終わると、彼らを先頭にモデルたちもフロアを去っていった。
そんな今回のプレゼンテーションは、バックステージから会場まで終始和気藹々とした雰囲気だったことが印象的だった。もちろん、リハーサルなど良い意味での緊張を感じさせるシーンもあったが、プレゼンテーション開始直前には全員で士気を上げるための掛け声をするなど、ストリートシーンの最前線で活躍する彼らが共鳴し合うようなエナジー溢れるものとなっていたように思える。
当日のバッグステージや会場の様子は、上記のフォトギャラリーでチェックしよう。
