LOEWE 2024年秋冬メンズコレクション
コラージュアーティスト リチャード・ホーキンスの作品を取り入れたアイテムのほか、ベーシックなアイテムを素材/シルエットで変化をつけたワードローブを提案
クリエイティブ・ディレクター ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の手掛ける〈LOEWE(ロエベ)〉が、パリ・ファッションウィークにて2024年秋冬メンズコレクションを発表した。
今季のコレクションでは、1961年米テキサス州メキシア生まれのアーティスト リチャード・ホーキンス(Richard Hawkins)とコラボレーションを行い、彼独特の感覚世界をショー会場とコレクション全体に取り入れた。ショーはパリの中心部にある歴史的なフランス共和国親衛隊の馬術トレーニングアリーナに設けられた特設会場で行われ、ホーキンスは今回のためにステンドグラスの窓を想像させる大型スクリーンを複数備えた白い箱型の空間を創出した。彼は、〈LOEWE〉の象徴的なウィンドウ ディスプレイを30年以上にわたり手掛けたホセ・ペレス・デ・ロサス(José Pérez de Rozas)による1960年代のウィンドウデザインをベースに、メゾンのブランドアンバサダーやインターネット上の著名人の映像や画像、自身が集積した猥雑で雑多なソースをレイヤードした12のビデオコラージュを制作した。
ホーキンスは男性の身体に沈溺し、30年以上にわたりその美学や文学/哲学的神話を研究し続け、それらの顕現を美術史からSNSコンテンツに至るまで、ありとあらゆるものの中に見出してきた。彼は『TMZ』『Us Weekly』『People』などのニュースメディアやタブロイド誌、SNSフィード、パパラッチ写真、セレブ文化、それらすべてをひとつのコラージュにまとめあげ、対照法による挑発という手法を通じて、自身の私的な欲望のナラティブを表現する。異種のイメージが衝突するコラージュは、オンラインで日々放出される多種多様な画像に翻弄される現在の我々の姿を、過去より予示していたのかもしれない。
今回のコレクションにおいて、ホーキンスの作品は断片化され、プリントやニットのジャカード織、オーバーサイズのスクイーズバッグ(同バッグはデニムでも登場)の刺繍、パズルトートにおける刺繍やレザーマルケトリー、ガラススタッズ、フリンジなどのデザインに姿を変えて、ジュエリーや洋服の上でさらなるコラージュとして登場する。ランウェイでお披露目されたアイテムも彼の作風を反映するかのように、シューズがソックスに、ソックスがトラウザーに、トラウザーはジャケットあるいはコートに変容にし、スタイリングされた。
今季のキーとなる素材としては、レザーが挙げられる。メゾンの主軸となるレザーは冒頭に登場した鮮やかなカラーのコートやテーラードジャケット、ベイカーパンツ、ボンデージパンツと多彩なアイテムに使用された。また、ボトムスのシルエットにも注目したい。デニムパンツはジャストよりややゆとりのあるストレートやテパード型、フライトパンツはボリュームーミーに、トラックパンツはリラックス感のあるゆったり型と、アイテムごとに異なるシルエットを提案。アクセサリーはスタイリングのアクセントとなったハーフベルト、フットウェアはバイカーブーツやクラシックなスケートシューズを思わせるスニーカーなどがラインアップする。
ブランド:LOEWE
シーズン:2024年秋冬メンズ
日付:1月20日(現地時間)