Supreme 歴代 BEST フォト Tシャツ 10 選
〈Supreme〉のTシャツを彩ったカルチャーアイコンたちをプレイバック


いよいよ8月19日(土)に国内ローンチを迎える〈Supreme(シュプリーム)〉の2023年秋冬コレクション。今季展開されるアイテムのフルラインアップはこちらでご確認いただきたいのだが、とりわけ毎シーズン注目度が高いのは、恒例となっているフォトTシャツだ。〈Supreme〉は2005年に初めて著名人のポートレイトを用いたTシャツを発表して以降、ミュージシャンやアーティスト、スーパーモデル、アスリートに至るまで数多くのカルチャーアイコンのフォトTシャツを制作してきた。2023年秋冬シーズンでは、米ルイジアナ州出身のラッパー ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン(YoungBoy Never Broke Again、NBA YoungBoy)がフィーチャーされている。
今回『Hypebeast』では、これまでリリースされた〈Supreme〉のフォトTシャツの中から、特に印象深いものを10枚セレクト。最新コレクションのローンチを前に、ブランドの“顔”となった歴代のアイコンたちを振り返っておこう。
Raekwon
リリース年:2005年
フォトグラファー:ケネス・ カペロ(Kenneth Cappello)
Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)のメンバーとして知られるRaekwon(レイクウォン)をフィーチャーしたこの1枚は、〈Supreme〉のフォトTシャツシリーズの記念すべき第1作目。中指を立てて銃を持ったイカついボディガードと、可愛らしいエルモの人形を持ったRaekwonを捉えたイメージは、〈Supreme〉というブランドの持つ危うさとユーモアを完璧に表現している。2005年のリリースから約20年の時を経た今でも、本シリーズにおける最高傑作のひとつ。
The Diplomats
リリース年:2006年
フォトグラファー:ケネス・ カペロ(Kenneth Cappello)
2000年代のヒップホップシーンに多大なる影響を及ぼした伝説的グループ The Diplomats(ディプロマッツ)のTシャツは、当時彼らのキャリアにおける絶頂期であった2006年にリリース。余談ではあるが、メンバーのジム・ジョーンズ(Jim Jones)は、この撮影の時にギャラの前払いを要求したらしい。
Mike Tyson
リリース年:2007年
フォトグラファー:ケネス・ カペロ(Kenneth Cappello)
誰もが知るボクシング界のスーパースターであり、最大の問題児 マイク・タイソン(Mike Tyson)のフォトTシャツは、彼の現役引退から2年後の2007年にリリースされた。ラスベガスのカジノのホテルの一室で行われたフォトセッションは、数時間にも及んだという。撮影の間タイソンは終始不機嫌で、フォトグラファーに何度も罵声を浴びせ、アシスタントやその場にいた全員を恐怖に陥れたようだ……。歴代フォトTシャツの中でも強烈なインパクトを残すイメージであるが、当時の現場を知るスタッフにとっては、思い出したくない記憶だろう。
Kermit the Frog
リリース年:2008年
フォトグラファー:テリー・リチャードソン(Terry Richardson)
『セサミストリート』を象徴するキャラクター カーミットのフォトTシャツは、今でも人気の高い1枚。〈Supreme〉は2005年の撮影でRaekwonに同作のキャラクターであるエルモの人形を持たせているが、実は無許可での使用であったという。しかし、このカーミットに関しては、正式なライセンスを取得しているとのこと。
Kate Moss
リリース年:2012年
フォトグラファー:アラスデア・マクレラン(Alasdair McLellan)
90年代から現在に至るまで、ファッション界に多大な影響を与えてきたスーパーモデル ケイト・モス(Kate Moss)のフォトTシャツは、2012年にリリース。元々彼女と〈Supreme〉の関係は深く、2004年にニューヨーク店の10周年記念Tシャツ、2006年に“ケイト・キス”Tシャツ、2008年には代官山店の10周年を記念したTシャツにフィーチャーされている。このTシャツに使用されたポートレイトは、ストリートとモデル界のアイコンが融合した“究極の1枚”と言える。
Neil Young
リリース年:2015年
フォトグラファー:テリー・リチャードソン(Terry Richardson)
伝説的なシンガーソングライター ニール・ヤング(Neil Young)が〈Supreme〉のキャンペーンに登場したとき、誰もがその組み合わせに驚いたに違いない。しかし、〈Supreme〉にとって設立当初から音楽はブランドの重要な“核”であり続けてきたため、ロック界のリビング・レジェンドの起用は、ある意味では必然とも言える。ストリートを象徴するボックスロゴのTシャツを自然に着こなしたニールの姿は、世代を超えて愛される〈Supreme〉というブランドの本質を的確に表している。
Morrissey
リリース年:2016年
フォトグラファー:テリー・リチャードソン(Terry Richardson)
The Smith(ザ・スミス)のフロントマン モリッシー(Morrissey)のフォトTシャツは、ブランドの歴史上最もいわくつきの1枚。〈Supreme〉は2016年春夏シーズンにモリッシーを起用したキャンペーンをローンチしたものの、彼はテリー・リチャードソンの撮影した写真全てが気に入っていないと公式サイトを通して発表。また、自身はベジタリアンであるにも関わらず、〈Supreme〉が過去に米ファストフード・チェーン「White Castle(ホワイト・キャッスル)」と仕事していることを知らずに、ブランドのキャンペーンに協力してしまったことを告白。そしてモリッシーは〈Supreme〉に対して自身の写真をキャンペーンに使用しないよう、勧告したことを公にした。その後〈Supreme〉はモリッシーとの和解を断念したものの、キャンペーンの投資費用を回収するために、このTシャツをリリースせざるを得なかったという。
Gucci Mane
リリース年:2016年
フォトグラファー:ハーモニー・コリン(Harmony Korine)
米アラバマ州バーミングハム出身のラッパー グッチ・メイン(Gucci Mane)のフォトTシャツは、〈Supreme〉と共通の仕事仲間であり、友人でもあるハーモニー・コリンが撮影を担当。シンプルなポートレイトに、“Gucci!”の手描き文字が映えるデザイン性の高い1枚。
Nas
リリース年:2017年
1994年のニューヨークでは、その後の世界のストリートカルチャーを決定づける、2つの出来事が起こった。一つはNas(ナズ)がヒップホップの歴史に燦然と輝く名盤『Illmatic(イルマティック)』を発表したこと。もう一つは、ラファイエットストリートに〈Supreme〉の第1号店がオープンしたことだ。いま現在も絶大な影響力を持つ両者によるセッションから生まれたTシャツは、まさに“至高の1枚”と言えるだろう。
Andre 3000
リリース年:2022年
フォトグラファー:ディアナ・ローソン(Deana Lawson)
トレマイン・エモリー(Tremaine Emory)が〈Supreme〉のクリエイティブディレクターに就任後、初めて手掛けたキャンペーンに起用されたのは、2000年代のヒップホップシーンを牽引したデュオ OutKast(アウトキャスト)のメンバーであるアンドレ・3000(Andre 3000)。青年期のトレマインに多大な影響を与えたであろうアンドレのフォトTシャツは、〈Supreme〉の新章の幕開けを告げる1枚。