DIOR を着る貴公子、田中碧を特別シューティング&インタビュー(前編)
ファンタジスタでありファッショニスタである田中碧を『Hypebeast』が特別に撮り下ろし、AI加工で新時代のファッションストーリーに仕上げた。また、今回モデルを務めた田中碧に、ジャーナリストの了戒美子がインタビュー。前編は、田中碧のファッション観について
笑いながらしかし毅然と
田中碧は彼らしいファッション観を口にした。
「“おしゃれ”と“かっこいい”ってまた別モノだと思っていて。その人に合っていることがかっこいいことなんじゃないかなと」
無理なく、自然に過ごしたいと考えている。
「日頃は着慣れないような服を着るタイプじゃないというか、白Tと黒パンみたいな。ドイツではいつも同じような服を着ています」
いつも同じでも、大切にしているチェックポイントはいくつかある。
「ラクであること。動きやすいこと。シンプル、オーバーサイズ」
ブンデスリーガでプレーする田中には食事会やクラブの集まりなど、それなりのシーンに顔を出さなくてはならないこともある。だが、「オレ、ぶれないっす」。あくまで着心地と機能性重視、いつも通りの格好で出かけていく。それでも、おそらく映えているはずで、ちょっとジェラスも感じる。
一方、帰国中は少し違う
「モテたいんです。モテたくない男なんていない」ときっぱり。いつものリラックス感重視に少しモードを加える田中の定番のようだ。
この日のシューティング、カメラと対峙する姿は試合で見せるのとはまた違う緊張感をたたえた。張り詰めた空気の中をすいすいとリクエストに応えていく。心得はひとつ。「何も気にしてないんです。もう言われたまま。お任せしてるんで、途中経過をモニターで見せてくださるのも、実はどうでもいい」。完成品を渡されて、ようやく自身の姿を確認する。
「意外とイケるな、とは思います」
何食わぬ顔でそんなことを言う。
田中碧が〈DIOR(ディオール)〉をまとった、真夏の東京。「着こなせる雰囲気を出したいですよね。ビシッとしたいときにビシッとなる雰囲気は欲しい」。一陣の涼風がさらりと吹き抜けた気がした。
田中碧(プロサッカー選手)
1998年生まれ。神奈川県出身。小学生時代から川崎フロンターレの下部組織で育ち、同クラブでプロデビュー。2021年ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍。