スポーツとファッションを繋ぐ ASICS によるブランドのメッセージを体現したイベントが開催
パリで開催されたポップアップイベント直後に、マーケティングチームでPRアクティベーションを担当する村上瑛利子とGT-2160™を手掛けた〈ASICS SportStyle〉のデザインディレクションチームマネージャー 河野健一にインタビューを敢行










日本発のスポーツウェアブランド〈ASICS (アシックス)〉の展開するライフスタイルラインの〈ASICS SportStyle (アシックススポーツスタイル)〉から、GT-2000™シリーズにインスパイアされた新作 GT-2160™がリリースされた。
そもそもGT-2000™シリーズとは、1993年に登場して以来ランナーを中心に長年愛されてきたシリーズであり、今も最新型がラインナップするなど、〈ASICS〉を代表するモデルである。そしてその名作シリーズの機能性やデザインを踏襲して開発されたGT-2160™は、ブランドがこれまでに培ってきたスポーツテクノロジーをファッションへと昇華し、昨今のトレンドを反映させたライフスタイルスニーカーとして登場した。さらに、デンマークのコペンハーゲンを拠点とするレディースブランド〈Cecilie Bahnsen(セシリー・バンセン)〉やカナダ・モントリオールを拠点とするブランド〈Dime(ダイム)〉、2021年にロサンゼルスで発足した新鋭ブランド〈AIREI(アイレイ)〉といった話題のブランドが、それぞれの解釈でGT-2160™をアップデートさせたコラボレーションモデルを制作。さらに、オーストラリアのクリエイティブハウス「HAL STUDIOS®(ハル スタジオ)」も、GT-1130™を独自の視点でアレンジ。〈ASICS SportStyle〉が今年6月のパリ・ファッションウィーク期間中に開催したポップアップイベントでは、それらの実物が初披露された。
ポップアップの会場となったのは、マレ地区にある『DOVER STREET LITTLE MARKET』が入る建物『3537』。会場内には各コラボレーターのブースのほか、地下に4Dサウンドオーディオを体験できるブランドエクスペリエンスも設置。さらに、イベント初日には敷地内の屋外スペースにてノサッジ・シング(Nosaj Thing)やワンダガール(Wondagurl)などのアーティスト/DJを招いたオープニングイベントも行われた。
そこで『Hypebeast』では、“Nothing Feels Better Than Moving with ASICS(最高の瞬間は、アシックスと共に)”というテーマで開催された今回のポップアップイベントの様子とともに、〈ASICS SportStyle〉のマーケティングチームでPRアクティベーションを担当している村上瑛利子、そして同ラインのデザインディレクションチームマネージャー 河野健一のインタビューをお届け。当人たちの言葉からイベントの趣旨や内容、最新アイテムを深掘りし、さらに〈ASICS SportStyle〉が掲げるブランドメッセージについて紐解いていく。
まずは、ポップアップ終了直後の村上氏に、本イベントの率直な感想を訊いた。
Hypebeast:無事にポップアップイベントが終了しましたね。
村上瑛利子(以下、M):はい、お越し頂いたゲストやお客様、ASICS SportStyleのチームのおかげで、無事にイベントを終えることができました。たくさんの方が会場にいらしてくださり、なおかつお褒めの言葉もたくさん頂くことができたのでとても嬉しく思います。私達ASICS SportStyleにとって、カルチャーが集まるパリという街で、イベントを通してお客様との接点を持つことが出来たのは、ブランド自体を知って頂ける良い機会だったと感じています。
具体的にどのようなイベントだったのでしょうか?
M:ミュージシャンを招聘したオープニングイベントをはじめ、インラインとコラボアイテムのポップアップ、ブランド体験ゾーンといった3つのパートで構成され、今回は〈ASICS SportStyle〉のブランドメッセージを全面に押し出したイベントでした。
イベントの目的についても教えてください。
M:動いたり、見たり、聞いたり、体感することで人々のマインドが“アップリフト(向上する)”される。私たちはブランド全体でそのきっかけを作っていきたいと考えています。今回のイベントでは、アイテムのみならず〈ASICS SportStyle〉を通して、ストレスの多い日常から抜け出し、皆さんのマインドがよりポジティブになる様な体験をして頂きたいという思いがこめられています。
開催にあたって苦労した点はありますか?
M:このイベントは私たちだけでなく、コラボレーションパートナーたちと一緒に作り上げていくことが重要だったんです。その中で、どのパートナーにお声がけするべきか悩みは尽きませんでしたが、ヨーロッパからCecilie Bahnsen、北米からDimeとAIREI、また世界中よりコラボレーターを誘致したいという思いから、オセアニア・アジア地区からHAL STUDIOS®にも依頼(*HAL STUDIOS®はGT-1130™をアップデート)をさせていただきました。そこから、彼らの世界観の表現を会場の制限下でどう実現させるか何度も話し合い、たくさんの苦労とともに準備をして…。けれども、オープンしたらその苦労が喜びに変わったことは間違いありません。
パリファッションウィーク期間中にイベントを開催したのはなぜですか?
M:パリファッションウィークはファッションだけでなく、すべてのカルチャーの中心とも言えるイベントだと考えています。私たちASICS SportStyleはASICSの中でも特殊で、スポーツではなく、アクティブなライフスタイルにフォーカスし、カルチャーとの繋がりを大事にしています。そんな中、パリファッションウィークはファッションだけでなく、すべてのカルチャーの中心とも言えるイベントと捉えており、私達がイベントを行うには、最適な場所と考えました。そのパリという地で、私達が大切にしているカルチャーとの結びつきを通して、体やマインドを動かす様な体験をし、ポジティブなマインドへ向かって頂くきっかけを作ることが出来ればと考え、今回の開催に至りました。
今後似たようなイベントが日本や他国でも開催されていくのでしょうか?
M:これからもイベントは継続していく予定です。それに、各国でもお客様をアップリフトさせるイベントを企画していますので、是非とも注目していただきたいですね。〈ASICS SportStyle〉は様々な地域でインスタグラムアカウントを持っているため、グローバルだけでなく各国のアカウントをご覧頂けば面白い情報が発見できるはずです。
次に、今回のポップアップイベントで披露されたGT-2160™について、〈ASICS Tiger(アシックスタイガー)〉所属時代にGEL-LYTE™ EVOやGEL-KAYANO™ KNITなどのデザインを担当し、現在はベルリン発のファッションレーベル〈GmbH(ゲーエムベーハー)〉や〈COMME des GARÇONS SHIRT(コム デ ギャルソン・シャツ)〉などとのプロジェクトを担当していたデザインディレクションチームマネージャー 河野氏本人に、その魅力を訊いた。
Hypebeast:まずは新シリーズ GT-2160™の魅力から教えていただけますか?
河野健一(以下、K):GT-2160™はスポーツテクノロジーをライフスタイルへ提案するASICS SportStyleカテゴリーから生まれたシューズなのですが、同ラインの他モデルと比べた時に、テクニカルな見た目を少し抑えたデザインにしているのが特長です。そしてさまざまなカラーバリエーションや素材違いのモデルも用意しているので、自身のスタイルに合わせてお気に入りの1足を見つけることができると思います。
どのようなラインナップになっているのでしょうか?
K:4型のコラボレーションモデルの他に、OGな雰囲気からインスピレーションを得たホワイトやブラック、またグレーなどの“コア”と呼ばれるカラーをベースにシルバーを入れ込んだモデルもラインナップしています。さらに今後は、アウトドアな雰囲気が漂うゴープコアなバージョンもリリースしていく予定です。
機能面に関しての特長も教えてください。
K:今回のモデルは2011年に発売されたランニングシューズのGT-2060™をベースに、ライフスタイルスニーカーとしてアップデートしたアイテムなので、街で履くことを想定してアウトソールの素材をオリジナル(*GT-2060™)から変更しました。さらに、ソール中足部のシューズを安定させるトラスティック構造もランニングではなく歩くことを再想定して開発しています。つまり、もともとはランニングシューズだったGT-2060™を、現代的なライフスタイルスニーカーとしてアップデートしたんですよ。
ライフスタイルに特化したASICS SportStyleの中でも、ファッション要素の強いアイテムということですよね?
K:そうですね。ファッションが好きな人など、さまざまなスタイルに合うデザインに仕上がっていると思います。それと、履き心地に関してもASICSの誇る機能性の高さを感じられる構造になっているので、とにかくたくさんの人に履いてGT-2160™の良さをその足と全身で体感してみてほしいですね。
今回GT-2160™の発表の場として訪れたパリの印象はいかがですか?
K:数年前にもGEL-KAYANO 5 360とアンジェロ・バク(Angelo Baque)率いるAwake NY(アウェイク ニューヨーク)のコラボレーションモデル発売のためにパリに行ったのですが、その当時と比べて街行く人々の足元にASICS SportStyleのシューズが増えたような印象を受けました。チームメンバーの頑張りがお客様に届いている気がして、とても嬉しかったです。
ありがとうございます。最後にHypebeastの読者に向けてメッセージをお願いします。
K:ブランドのインラインではGT-2160™だけでなく他にも多くのアイテムをご用意しているので、ぜひ色々と見て、好きなシューズを履いて欲しいですね。コラボレーションでもワクワクするような企画が進行中ですので、2023年後半も引き続き楽しみにしていてください。ありがとうございました。
〈ASICS SportStyle〉が掲げるブランドメッセージを体現した GT-2160™ のリリースを皮切りに、コラボレーターによるインスタレーション、また“Sound Mind, Sound Body”というブランドのスローガンを表現した体験ゾーンがそろった今回のポップアップイベント。“人々のマインドをアップリフトしながらカルチャーを通して他者と繋がり、それぞれに心と体のムーブメントを起こしたい”と村上氏が言うように、多くの人が〈ASICS SportStyle〉が起こす新たなムーブメントに共感する催しであった。
GT-2160™の詳しい情報やイベント後のレポートに関しては、〈ASICS〉の公式サイトや、後日『Hypebeast』で公開される各コラボレーターへのインタビュー記事で確認してほしい。なお、オリジナルのGT-2160™は7月27日(木)より〈ASICS〉の公式オンラインストアおよび公式ストア(原宿店・心斎橋店)、一部の〈ASICS SportStyle〉取扱店舗にて販売予定。カラーは“WHITE/PURE SILVER”と“WHITE/ILLUSION BLUE”の2種類を展開し、価格は13,200円(税込)となる。