ERL 2024年春夏コレクション
“2176年のフィレンツェ”でサーフトリップを楽しむカリフォルニアの不良少年たちの装いをイメージしたピースに加え、ブランド初のスニーカーも登場
イーライ・ラッセル・リネッツ(Eli Russell Linnetz)の主宰する米西海岸発のブランド〈ERL(イーアールエル)〉が、イタリア・フィレンツェで年2回開催される世界最大のメンズプレタポルテ見本市「Pitti Uomo(ピッティ・ウォモ)」こと正式名称「Pitti Immagine Uomo(ピッティ・イマージネ・ウォモ)」にて、2024年春夏コレクション “Make Believe”をランウェイショーを形式で発表した。Eli個人としては昨年5月にキム・ジョーンズ(Kim Jones)の手掛ける〈DIOR(ディオール)〉にゲストデザイナーとして招かれ、スプリング 2023 メンズ カプセルコレクションのショーを行ったものの、〈ERL〉単独としては今回が初のランウェイとなる。
イーライ曰く、本コレクションは“2176年のフィレンツェ”を想定して制作されたという。彼が思い描くストーリー上では、今から100年後のフィレンツェは水没してしまっていて、カリフォルニアのサーファーたちが現地にサーフトリップへ出かけるようになる。そしてある晩、彼らは大使館で開かれる舞踏会に忍びこむため、大使の自宅で洋服やジュエリーを漁り、金持ちになりすます。今回のコレクションは、そんな未来のアメリカ人サーファーたちの装いをイメージしているようだ。
ランウェイにはシルバーカラーを基調とするメタリックな素材を用いたジャケットやニット、ウェットスーツなど、クラシックなテーラリングとスポーツウェアをミックスしたアイテムが多様なシルエットで登場。また、コレクションは“California Couture Made In Italy”をスローガンに掲げており、スーツはイタリアで最も古いオペラ座の一つであるペルゴラ劇場の衣装製作チームの協力を得て、ハンドメイドで制作されたとのこと。また、1990年代のスケートシューズを想起させるスニーカーも初登場した。Eliのルーツを取り入れながらも、ブランドの進化とユニークなビジョンを感じさせる完成度の高いコレクションとなった。
ブランド:ERL
シーズン:2024年春夏
日付:6月15日(現地時間)