Balenciaga 2023年冬シーズンの注目アイテムをクローズアップ
自身をファッションの世界に導いた“パンツ”を解体・再構築し、アウターやジャケットなどのパーツとして用いたユニークなピースを展開
先日、パリファッションウィークにて発表された〈Balenciaga(バレンシアガ)〉2023年冬コレクション。こちらでも詳しく触れているが、本コレクションにおいてDemna(デムナ)は、いちデザイナーとして、原点に立ち返り、純粋に服作りにフォーカスした内容となった(ロゴアイテムが登場しないのも、Demna就任後初)。本稿では、そんな〈Balenciaga〉2023年冬シーズンの注目ピースをご紹介。
会場のシートに置かれていたメモに「両親が近所のテーラーで私のためのパンツを仕立ててくれたのは6歳のときでした。自らデザインし、生地屋で生地を選び、そしてフィッティングのためにテーラーへ2度通いました。これが、わたしが服に夢中になる始まりでした」と記載されていたが、本コレクションでは自身をファッションの世界に導いた“パンツ”がベースとなっている。デッドストックなどのパンツが分解・再構築され、ウエスト部分がジャケットの裾になっているなど、トップスのパーツとして使用されている。この構造をテーラリングからデニム、コットン、レザーアイテムまで採用することで、自らの原体験をさまざまなピースに投影。パンツは、前面もしくは側面にそれぞれもう1本ずつ足が付く形の2重構造となっており、歩いた際に独特のドレープを生み出す。裏地に取り外し可能なインフレータブルを縫い付けたアイテムも今回のハイライトのひとつであり、空気を注入することで膨らみを持たせたユニークなシルエットに。こちらもレザージャケットからダウン、ジップアップフーディまで幅広く展開。そして、クチュールから派生した肩を強調させ丸みを持たせたシェイプは、プリーツドレス、アニマルプリントのレザートレンチ、イブニングドレスなどで見られた。
フットウェアに目を向けると、今回スニーカーは一切登場せず、モトクロスのフットウェアをベースにしたバイカーブーツがキーアイテムとなった。数色が製作されているが、いずれも〈Balenciaga〉十八番の絶妙なダメージ加工が施されており、見た目以上の軽さと軽快な履き心地が印象的だった。バッグ類は、人気のHuge BagとCrush Bagの新作がラインアップ。早速、上のフォトギャラリーから、ディテールなどをチェックしてみよう。