fragment design と ChargeSPOT 両代表が語るコラボレーション第2弾への想い

藤原ヒロシはなぜ再びモバイルバッテリーシェアリングの会社とタッグを組んだのか

テック&ガジェット 

〈fragment design(フラグメント デザイン)〉とモバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」によるコラボレーション第2弾が登場。〈fragment design〉がデザインを手掛けた特別仕様のバッテリーが、東京、大阪、名古屋、福岡を中心とした日本全国の「ChargeSPOT」のバッテリースタンドで2023年11月30日より数量限定で展開されている。

異色ともいえる両者のコラボはどのような経緯で実現に至ったのか。2019年12月に実施された第1弾の反響はどうだったのか。そして第2弾を展開する狙いとは。〈fragment design〉を主宰する藤原ヒロシと「ChargeSPOT」を運営する「INFORICH」の秋山広宣(陳 日華)に聞いた。


Hypebeast:2019年の第1弾コラボの反響はどうでしたか?

秋山広宣(以下、A):反響の大きさはこちらの想像をはるかに超えるものでした。ChargeSPOTのバッテリースタンド数は、コラボ第1弾実施時の2019年には全国に約10,000台。それから4年が経ち、2023年11月時点でその数は約4倍の41,000台に拡大し、利用者の層も広がりました。そこにfragment designとのコラボがもたらしたブランディングや認知拡大が少なからず寄与したことは間違いありません。

藤原ヒロシ(以下、F):一般的なシェアの考え方って、みんなが同じ柄、同じデザインを使うというのが大前提。たとえば、カーシェアなら、クルマってかたちや色がいろいろあるのに、個人の好みやこだわりがないがしろにされてしまう。乗れればいい、みたいな。シェアってそういうものだよね、というみんなの共通認識があるというか。でも、それってつまらないな、とぼくは思っていて。その点、ぼくとChargeSPOTとの取り組みは、モバイルバッテリーという同じものをシェアしながら、ほかとは違ったデザインのものがたまに出てくる。そこがいままでにない試みで面白いと思いました。

A:まさに。fragment designのモバイルバッテリーとの出会いは偶発的。おみくじ的な要素があります。

そもそもコラボ第1弾はどういった経緯で実現したのですか?

F:もともと日華くんとは旧知の仲で。ChargeSPOTはすごくいいサービスだと思って、依頼を受けました。

A:ありがとうございます。モバイルバッテリーのシェアリングは世界中にありますが、こういったかたちのコラボはChargeSPOTが初めて。サービスの利便性の高さだけでなく、モバイルバッテリーを持ち歩くことがかっこいいという新しい提案になったと思います。

F:もっといろいろな企業も巻き込めば? という提案もしました。たとえば、スタバのバッテリースタンドのモバイルバッテリーにはスタバのロゴを入れるとか。ただ、それがドトールで返却されると、ややこしいことになる(笑)。

A:そうなんです。そのあたりはなかなか難しくて。

コラボ第1弾と第2弾の違いは?

F:前回はブラックをベースにChargeSPOTのカラーであるブルーを入れましたが、今回はブラック×ホワイトに。

A:よりfragment designらしくなりましたね。細かい部分に関しては、モバイルバッテリーへの充電もUSB-Cに。iPhone 15への最適化です。容量はこれまでと同様、5,000mAh。飛行機の機内持ち込みの上限が10,000mAhなので、それを考慮しています。

コラボ第1弾のとき、借りたまま返却しなかった人もいたのでは?

A:少なからずいらっしゃいました。ChargeSPOTはシェアリングサービスですから、ご利用いただいたモバイルバッテリーはご返却いただくのが原則です。こういったコラボに関しても利用者のみなさまにシェアして楽しんでいただければと思っています。

今回のコラボ第2弾、海外での展開は?

A:第1弾は香港、タイ、台湾でも展開しましたが、今回の第2弾は日本のみです。ただ、最近はインバウンドのお客様が多く、ChargeSPOTの利用者も急増しています。海外から日本に来た方が、自国にないデザインを楽しんでいただけるといいなと、密かに思っています。

モバイルバッテリーのシェアリングというサービスをヒロシさんはどう捉えていますか?

F:そもそも、ぼくはモノをシェアすることに対してあまり肯定的ではなく、シェアリングのサービスを日々の生活で積極的に利用しているわけでもありません。ただ、モバイルバッテリーをみんなでシェアして使おうというのは、共感できるし、面白い試みだと思います。それは世の中を良くする云々というよりも、単純に便利だと思うから。最近、チケットをスマホで管理する機会が多いじゃないですか。スマホのバッテリーが切れるとチケットとして用をなさなくなってしまうので、いざというときにChargeSPOTのようなサービスが重宝すると思います。

A:ChargeSPOTは飲み物の自販機と性質が近いとぼくは思っていて。朝、出かけるとき、水筒に飲み物を入れて持ち運べばいいとわかっていても、ちょっと面倒ですよね。時間が経てばぬるくなったり、冷めてしまったり。それを解消するために、自販機への対価を払う。バッテリーのことを英語のスラングで“Juice”と呼びますが、常にフレッシュな“Juice”を提供するChargeSPOTが自販機と似ているというのはそういうことです。

ヒロシさんはChargeSPOTを実際に利用したことは?

F:もちろん、ありますよ。以前、青森で借りて、飛行機に乗って、東京で返したことも。そのときは助かりました。ちなみにいま、ChargeSPOTは街中以外ではどんなところで使えるんですか?

A:たとえば、ヒロシさんはスノボ好きだと思いますが、スキー場にも設置を進めています。今後はゴルフ場や山小屋など、アクティビティやスポーツ関連の施設にも広げていきたいです。

F:映画館とかもいいんじゃない? 映画を1本見ているあいだにフル充電できたら便利そう。あるいはテーマパークとか。

A:まさに。映画館やテーマパークはChargeSPOTと親和性が高いですね。

F:いろんなところにバッテリースタンドがあるのはすごくいいと思う。ぼく自身、スマホのバッテリーが常に満タンじゃないと落ち着かないタイプなので。

A:ぼくは逆ですね。バッテリー残量2%くらいまでがんばっちゃうタイプです(笑)。

F:あと、素朴な疑問ですが、モバイルバッテリーのシェアリングってビジネスとして儲かるんですか? 料金、安いけど。

A:はい、儲かっていますよ。そこに関しては、はっきり言っておきましょう(笑)。
藤原ヒロシ フラグメント fragment design と ChargeSPOT 両代表が語るコラボレーション第2弾への想い

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フォトグラファー
Yoko Tagawa
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