マクラーレン 750S は正真正銘のスーパースポーツカーだ

F1好きだったら知らない人はいない超名門チームの「McLaren(マクラーレン)」。そんな彼らが、公道で運転できるスーパースポーツカーも作っていることをご存知だろうか?

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英国のオートメーカー「McLaren (マクラーレン) 」は、ブランド名がF1チームと同じというだけでなく、クルマの開発や生産が行われているのもF1チームと同じ敷地内で、そして車体の骨格にはカーボンモノコックといって、もともとF1マシンのために開発された技術をほとんどそのまま活用しているというのだから驚く。もちろん、軽量設計とか空力設計などの思想も、基本的にはF1マシンと同じ。これほどF1と近い関係にある自動車メーカーは、「マクラーレン」を除けば「フェラーリ」だけだろう。

そんな「マクラーレン」から登場した最新モデルが750S。「マクラーレン」のモデル名はわかりやすくて、3ケタの数字はエンジンの最高出力を表している。つまり、750Sは最高出力750psのエンジンを積んでいるというわけだ。ちなみにこのニューモデル、0-100㎞/h加速、つまり発進して100km/hに到達するまでの時間はたったの2.8秒。さらにいえば、200km/hまでは7.2秒、300km/hまでは19.8秒で達するそうだ。念のために付け加えておくと、最高速度は332km/h(!)。だから、正真正銘のスーパースポーツカーといって間違いない(加速データはクーペのもの)。そんなモンスターマシンに、ポルトガルのエストリル・サーキットと周辺の一般道で試乗してきた。なお、エストリルは1984年から1996年までF1ポルトガルGPが開催されてきた由緒正しいサーキットだ。

超高性能を誇る750S、公道で乗ったらさぞかし乗り心地が悪いうえに運転しにくいと想像されるかもしれないが、これがまったくの正反対。最近のスーパースポーツカーはどれも乗り心地がよくて運転しやすくなっているのは事実だけれど、そのなかでもマクラーレンは乗り心地のよさで断然トップの座に君臨してきた。その伝統は750Sにも引き継がれていて、いちばん快適なコンフォート・モードで走っていると、まるで上質なセダンに乗っているような心地よさを味わえる。もちろん、高速道路ではフラットな姿勢をぴたーっと保ってくれるので長距離ドライブもなんのその。おまけに、ミッドシップ・スーパーカーなのに視界も良好なので、高速道路の合流でもちっとも怖くない。あとは、ボディの幅が広いことと、段差とかで“鼻先”をこすりやすいのが数少ない注意点で、それらを除けば、本当に普通の乗用車感覚で運転できてしまうのだ。

でも、そんな750Sをサーキットに持ち込むと、「マクラーレン」のレーシングチームとしての血が騒ぎ出すのだから面白い。まず、安定感がバツグンに優れている。今回、私はエストリルのストレートエンドで280km/hまで試したけれど、そんな走り方をしてもタイヤが滑り出す兆候はまるで感じられない。それどころか、「いったい、このクルマはどこが限界なんだろう?」と疑問に思ってしまうくらいだった。

その秘密の一端は、「マクラーレン」が誇るエアロダイナミクス、つまり空力性能にある。ウィングをたくさん装備したF1マシンが風の力でクルマを路面に押しつけ、それによってタイヤの性能をさらに高めていることは広く知られているとおり。上から押しつけられたタイヤが、本来持っている以上のグリップ力を発揮できるのは、消しゴムでこするとき、手で押さえつける力を強めると、前後に消しゴムを動かしづらくなることからも想像できるだろう。

マクラーレン750Sには、それほどウィングがついていないように見えるけれども、F1マシンの開発で養った技術を活用することで、公道を走るロードカーとしては例外的ともいえる大きな力(これをダウンフォースという)を発生。これによって、超高速域でのサーキット走行でもケタ外れの安定性を生み出しているのである。おかげでタイヤをほとんど滑らせることなく、サーキット試乗は終了。「タイヤを滑らせたくて仕方がない私」は、やや消化不良のままエストリルを後にしたのだが、自分の腕よりも750Sの性能のほうが優っていたのだから仕方がない。

マクラーレン750Sにはクーペとスパイダーの2タイプがラインナップされており、価格はクーペが3930万円でスパイダーが4300万円。「スーパーカーは発表時に完売」というケースが少なくないなか、納車まで1年ほど待てば確実に購入できる点も750Sの魅力のひとつといえる。

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テキスト
Writer
Tatsuya Otani
Editor Assistant
Sachiko Tsutsumi
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