NIGO® & VERDY 手掛ける東京の新名所 OTSUMO PLAZA に迫る

「オツモ株式会社」代表取締役社長COOの松沼礼とVERDYの単独インタビュー

ファッション 
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近年その人気がますます加速する〈HUMAN MADE(ヒューマン メイド)〉を運営する「オツモ株式会社」が、東京・南青山に新たなコンセプトショップ『OTSUMO PLAZA(オツモプラザ)』をオープン。この『OTSUMO PLAZA』は、NIGO®(ニゴー)とVERDY(ヴェルディ)という最強コンビのアイデアが詰まった唯一無二のストアであり、さらに〈Wasted Youth(ウェイステッド ユース)〉〈Girls Don’t Cry(ガールズ ドント クライ)〉でさまざまなアパレルやグッズを展開してきたVERDYにとっては初の実店舗となる。

しかも『the POOL aoyama』と『NIKELAB MA5』の跡地という、東京シーンには非常に縁のある感慨深い場所だ(かつ、これを読んでいる多くの方は、1発で場所がわかるであろう好立地)。後述のインタビュー内でも説明されているが、『OTSUMO PLAZA』は、VERDYをはじめ東京を代表するクリエイターが入居するNIGO®️発案のシェアアトリエ『オツモセンター(通称:オツモ荘)』が出発点となっている。“オツモセンターのクリエイターから生まれるアイデアを形にして実際の店舗で展開してみたい”というNIGO®️の想いをどのように実現していくのか、オープンを前に「オツモ株式会社」代表取締役社長COOの松沼礼とVERDYに話を訊いた。

ニゴー & ヴェルディ NIGO® & VERDY オツモプラザ 手掛ける東京の新名所 OTSUMO PLAZA に迫る

Hypebeast:オツモプラザの構想はいつ頃からあったのですか?

松沼(以下、M):1年以上前からありましたね。経緯を説明すると、中目黒に弊社のオフィスがあったのですが、少し手狭になったので、本社を引っ越し、手放そうとしていました。でも、せっかく手塩にかけて良い感じに作り込んだのに「もったいないよね」という話になり。そこからNIGO®️のアイデアで、VERDYさんのようなこれからの時代を担うクリエイターに入居してもらい、その輪にNIGO®️自身もいながら、シェアアトリエのようにできないかと。NIGO®️が手塚治虫だとして、トキワ荘ならぬオツモ荘的なアイデアです。一緒にいることで、お互いを刺激し合えるような、そんな空間があったら面白いですよねという。そこからVERDYさんにまずお声がけさせてもらいました。既にWasted Youth(ウェイステッド ユース)は、オツモで生産・販売する仕組みができていたので、今までオンラインでしか売ってなかったところを、フィジカルで手に取って、買えるようなところがあったら、みんな喜ぶんじゃないかなって。オツモセンター/オツモ荘からの表現物として、クリエイターの皆さんと作り上げるお店ということで、オツモプラザ。プラザというのは、みんなが集まる広場みたいなニュアンスがありますし、オツモはお寿司用語で25という、NIGO®️のアイデンティティが詰まってる言葉なので、オツモを冠にしました。

ファッション業界では、この場所は歴史がありますよね。ここに決めた理由を教えてください。

M:HUMAN MADEのお店に限らず、良い物件があったら、よくNIGO®️と見に行ってたんです。この物件を改めて見たときに、素敵な場所だなという話になり、ここだったら、HUMAN MADEストアよりかは、新しいコンセプトのお店が合いそうだよねって。あえて言葉にはしないかもしれないですが、この場所が培った歴史への一種のリスペクトもあるとは思います。そういった流れでこの場所に決めました。

VERDYさんの役割は?

VERDY(以下、V):ロゴのデザインだったり、オリジナルアイテムもそうですが、Wasted Youthのアイテムが初めて常設で販売されるお店ですね。あとは、例えばここでイベントだったりとか、普段のHUMAN MADEのお店とかではやっていないことを、このスペースを使って一緒にやっていけたらいいんじゃないかなと思ってます。

VERDYさんのお店と捉えて問題ないでしょうか?

M:その認識で問題ありません。お店のデザインはNIGO®️のディレクションのもとに設計していますが、そこにVERDYさんの商品やアイデアをどんどん詰めていって、出来上がっています。オツモとしては、VERDYさん初の常設ストアを実現させてたかったのです。ただ、1年後、2年後、3年後を考えると、変化していくとは思っています。VERDYさん以外のクリエイターやアーティストの方の商品を扱うことも、今後は増えてくるかもしれないですね。

基本、常にVERDYさんのアイテムが売っているということですね。オープン時のラインアップをご説明いただけますか?

V:自分の代表的な作品・デザインをオツモバージョンに描き直したものがあって、このストアでしか買えないアイテムです。Wasted Youthのインラインに関しては、ファーストシーズンを作った時から「こういうものを作りたいな」ってずっと考えてたアイテムを色々改めて制作しました。これはオンラインでも同時に販売します。その他にはトートバック、キーホルダー、ピンバッチなど小物もあります。海外から東京に来たら、みんな行く店って結構決まってるじゃないですか。DOVER STREET MARKET GINZA(ドーバー ストリート マーケット ギンザ / DSMG)、Kapital(キャピタル)、visvim(ビズビム)みたいな。オツモプラザもその1つになってほしくて、フラッと来たときにお土産感覚で買えるものを用意したかったんです。常設店ではあるけど、アパレルは数に限りがあるので、それがなかったとしても、トートバッグは売ってるとか、そういう意図があります。

新商品はどれぐらいの頻度でリリースするのですか?

V:基本は毎週出ます。Wasted Youthもあれば、オツモプラザのグッズもあるし、HUMAN MADEと誰か違うアーティストのコラボとかも。今までは、HUMAN MADEのコラボアイテムは、オンラインのみで店舗では販売してなかったんですよね。例えば、KAWS(カウズ)やエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)とか。そういったプロジェクトもこの店舗で販売していくかもしれませんね。

VERDYさんはこれまでたくさんのことやられてきて、初めてっていうのは、結構もう珍しくなったのかなって。心境は?

V:確かにそうですね(笑)。原宿とかのカルチャーに憧れて、デザイナーになりたいって思った時の1つの目標として、いつか自分のブランドのお店を持ちたいとは思っていました。でも、だんだん時代も変化して、自分がブランドを始めて、軌道に乗った時は、別に実店舗がなくても問題ない時代だったと思うんですよ。多分、昔だと実店舗がないとブランドとして成立してなかったのが、今はポップアップをやるだけでも、それはそれでブランドとして評価される時代でしたから。自分は、今もすごい少ないチームでやっているので、実店舗をやりたいけど、スタッフ、家賃、常にアイテム作り続けるとか諸々考えると、自分には合ってないんじゃないかなみたいなとこもあって、やってなかったんです。でも先シーズンからオツモと一緒にWasted Youthを生産して、定期的に商品もリリースしてますし、HUMAN MADEがやってきたことも見てきたので、そんなチームと一緒にお店を常設でできることは、すごいワクワクします。

他のHUMAN MADEの店舗と比較しても、大きいですよね。

M:そうですね。クリエイターさんの表現やクリティビティを出すってなると、それなりに余白があった方が、色々考えていただけるんじゃないかなと。なので、ストアの中心部の使い方は、あまり決めてなくて。什器置いて、商品も置けるだろうし。階段もそうですね。座って話せるし、商品置いてディスプレイしてもいいし、何か別のことやってもいいし。アートの販売とか、なんでもやろうと思ったらできるかなって感じです。オツモとしてはVERDYさんやCactus Plant Flea Market(カクタス プラント フリー マーケット)など、近しい間柄の人たちのクリエーションを全面的にサポートしたいという気持ちがあります。例えば、Tシャツ以外の洋服を作るとなると、生産が難しかったりするので。そういう面でクリエイターがつくりたいものをつくって、それを見たファンやお客さまが喜んでもらえる、そこに僕たちの存在価値があると思っています。

この内装については?

M:NIGO®️からコンセプト的なものが明言されているわけではないですが、HUMAN MADEのものづくりと近しい部分あるかなと思っています。「Future is in the past」という、「未来は過去にある」というコンセプトで、ビンテージから着想を得て、ものづくりするのことに通じていると思います。ここはもともとプールだったので、水吐きがいいように床が坂になってるんですよ。普通、坂のまんまでお店に絶対しないと思うですが、あえてむき出しの当時の床を極力いじらないようにしてたり。なので、ブランドのコンセプトに共通していると僕は感じてはいます。

個人的な意見かもしれないですが、直近はオツモの会社名を前に出している印象があるのですが、意図的なものですか?

M:意図的にアピールしてるわけではないのですが、HUMAN MADEを運営してるだけの会社じゃないようにしていきたいと思っています。僕たちのリレーションのあるアーティスト、ミュージシャン、クリエイターの人たちと、商品を作ったり、サービスを提供したり、クリエイターエコノミーと言いますか、新しい経済圏を作りながら、そのアウトプットがお客様に喜んでもらえるような、そういったソリューション出せる会社と捉えた時に、HUMAN MADEではないオツモを旗印にしたいと考えています。

最後に、今後の予定など発表できるものはありますか?

V:発表できる範囲ですと、Wasted YouthとFender(フェンダー)のコラボギターとベースを出します。その他にも年内にいくつかあるので、楽しみにしていてください。
M:来週、ニューヨークで初めてHUMAN MADEのポップアップをします。ビッグニュースもありますのでこちらもお楽しみにしてください!

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テキスト
インタビュアー
Yuki Abe / Hypebeast
フォトグラファー
Genya / Hypebeast
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