fragment design と MAMMUT、コラボレーションの裏側

できれば持っているだけにしたいアバランチビーコンを推奨する、藤原ヒロシによる雪山への警鐘

スポーツ 

すでに情報解禁がされた藤原ヒロシ率いる〈fragment design(フラグメントデザイン)〉と昨年創業160年を迎えたスイスのアウトドアブランド〈MAMMUT(マムート)〉とのコラボレーション。そのメインは〈MAMMUT〉が圧倒的な性能で世界No.1シェアを誇る、アバランチビーコン(雪崩捜索用トランシーバー)の“Barryvox S FRGMT Edition”だ。
アバランチビーコンとは、簡単にいえば捜索探知機のこと。雪崩に巻き込まれた人の位置を、埋没者と捜索者とが電波を送受信しあって特定する。
命に関わるアバランチビーコンはバックカントリー好きのマストアイテムだが、世の中の必需ではない。スノーアクティビティを普通に楽しむ分にはその重要性に気づきにくいものだ。忌憚なくいえば“使いたくないもの”に対するニッチな着眼にこそ、今回の意義がある。所持歴は長く、使用歴はゼロの藤原ヒロシご本人にこの取り組みについて伺った。

Hypebeast:改めて、ヒロシさんと雪山の関係について教えてください。

スノーボードブームだった90年代前半からだったと思います。その頃はまだ滑れるところが限られていたんじゃないかな。最初は普通に滑っていたんですが、ゲレンデのコースって割とすぐに飽きるんですよ。

そしてバックカントリーへのデビューということですか?

はい。で、その頃にBurton(バートン)でプロになった友だちと一緒に滑るようになって、いろいろ鍛えられました。となると(デビューして)2〜30年は経っていますね。

Barryvoxとの出会いはその頃からですか?

その時はまだ持っていませんでした。海外で滑るようになってからかな。アラスカとかだと一週間くらい滑る時は、初日の午前中にはビーコンをどっかに埋めてそれをみんなで探す、みたいな講習会とか受けるんですよ。必ず身に付けなくちゃいけない場所で最初はレンタルしていて、そのうち自分で買うようになった。日本でも八甲田山とかは付けないと山の奥に入れないですよ。

所持していてよかった、と思ったことは?

ありがたいことに、まだ1回もないです。サーチされたこともしたこともないかな。だからこの性能をちゃんと体感はしていません。そもそも、雪山でテクノロジーを感じるギアって、ビーコンくらいじゃないかな。いくつか種類があるけど、ここ何年かはずっとMAMMUTを使っています。

業界での高いシェア率を感じることはありますか?

それはわからないけど、僕の周りで使っている人は多いかな。いろいろ調べたり比べたけど、他は見た目が野暮ったかったり、助ける性能が低かったり。その点、マムートは絶妙なサイズ感が好きだし、性能もいいみたいですよ。Barryvoxに助けてもらった友だちを知っているけど、多分僕はそこまで無茶はしないと思っています。ただ、いつ何が起こるからわからないから、保険みたいなもの。あと、滑りに行く時に電源を入れると、ちょっと身が引き締まる気持ちはあります。

今回、fragment designとのコラボレーションが発売されます。これをきっかけに、多くの人に身につけて欲しい気持ちなど、メッセージはありますか?

そもそも世の中みんなが知っているわけじゃないし、持っているだけで終わるのが幸せなものだから。でも、スノーボードだけじゃなく雪山に登る人は持った方がいいんじゃないかな。僕自身は、今までならBarryvox本体には触らず、ケースだけとか、Tシャツだけ作りましょうとか。そういう関わり方をしていたかもしれない。なので今回プロダクトそのものを触れられたのは嬉しい。実際に身につけていたり、使っているからこそいただける話ですよね。じゃないと僕も作りたいとは思わないし。

今回はどんな仕様に変えたのでしょうか?

1から形を変えましょう、みたいなことではもちろんなくて。制限のある中でできることを。雪山での視認性を考えると、この“セーフティオレンジ”は使わなくてはいけない決まりがあって、その上で外装のカラーを考えました。あと、起動時のアニメーションもちょっと。あ、でもロゴは自由に触らせてもらったかな。結構、マンモスはみ出しているし(笑)

fragment design と MAMMUT、コラボレーションの裏側 フラグメントデザイン マムート 藤原ヒロシ

年齢を重ねたり、環境や生活スタイルの変化だったり、また近年はコロナ禍の影響だったり。その中でヒロシさんご自身と雪山との付き合いはどう変わっていますか?

変化はないです。むしろ日常みたいになっている。冬になったら雪山に行く予定が入って、Barryvoxの電池を入れ替えてシーズンを迎えてます。そもそも1年の中で2、3カ月しか滑れないし、毎日じゃない。しかも雪次第じゃないですか。スケートボードとは違う、限られた中での楽しみがある。
(取材時に)ニュースで流れていましたが、今週末に北海道で雪が降るみたい。年々、冬がどんどん短くなっていますね。冬が短いということは降雪が不安定だし、すぐに暖かくなるから雪崩が起きやすいんですよ。今年もBarryvoxの出番がないといいですね。

fragment design と MAMMUT、コラボレーションの裏側 フラグメントデザイン マムート 藤原ヒロシ

“Barryvox S FRGMT Edition”の発売は11月23日(木・祝)を予定。購入者には〈RAMIDUS(ラミダス)〉が特別に製作した〈fragment〉×〈RAMIDUS〉×〈MAMMUT〉のBarryvoxケースが限定で配布される。〈MAMMUT〉公式オンラインストア及び、アウトレットを除く全国の『MAMMUTストア』を中心に発売。その他の展開店舗や、この共演を記念した〈fragment design〉監修のアパレルのリリース情報などは、こちらをチェック。

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Presented by MAMMUT
フォトグラファー
Yoko Tagawa (product Shots)
インタビュアー
Masayuki Ozawa
Creative
Hiromu Sasaki / Hypebeast
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