Nirvana のアルバム『Nevermind』の写真をめぐる裁判で当時赤ん坊の男性による訴えが再度退けられる
10年時効ルールを大幅に超えており Elden 氏がこうした主張をするには長い年月が経ち過ぎていると判断
Nirvana(ニルヴァーナ)は、バンドの象徴的なアルバム『Nevermind』のジャケットのために撮影された赤ん坊、Spencer Elden(スペンサー・エルデン)氏との裁判で、米カリフォルニア州の連邦裁判所は9月3日(現地時間)、彼が搾取されたと主張するには遅すぎたと判断し、訴訟を却下する判断を下した。
この訴訟は、アルバムの写真に写った赤ん坊の頃の自分の姿は児童性的虐待にあたり、当時はこの写真の使用許諾を与えることができなかったとして、15万ドル(約2,100万円)の損害賠償を求め、2021年に初めてNirvanaとその関係者を提訴した。しかし裁判所は、Elden氏の弁護団に時効に関する訴状の不備に対処する機会を与えたにもかかわらず、その期限を守らなかったため、今年1月、すでに一度却下されていた。
Fernando M. Olguin(フェルナンド・M・オルギン)判事は原告側に再度申請の機会を与え、Elden氏側は同月中にすぐに再申請を行っていた。そして裁判には持ち込めたものの、この件は10年の時効を大幅に超えており、Elden氏がこうした主張をするには長い年月が経ち過ぎていると判断され、結局Elden氏側はNirvana側に敗訴となった。
また、Nirvanaの弁護団は、Elden氏が“Nirvana baby”であることを楽しんでいたことがあると主張し、後年その写真を再演していたことにも触れている。そしてElden氏の両親は1991年、当時は比較的無名だったバンドからこの写真に対して200ドル(約28,000円)を受け取っていたとも伝えられている。
Elden氏の法的手段は、再提訴することができないため、今やほとんど手が尽きてしまったが、彼の弁護団はこの判決に対して控訴する方針だという。Nirvanaが全世界で3,000万枚を売り上げた有名なアルバムの写真だけに、“Never mind(気にしないでくれ)”では済まない判決の最終的な行方は見守るしかなさそうだ。