ナイジェリアで広告における外国人モデルや俳優の起用が正式に禁止される
2億人以上の国民を抱えるナイジェリアが表現についての議論に大きな一歩を踏み出す
先週、ナイジェリアの「Federal Ministry of Information and Culture (連邦情報文化省)」は『Twitter(ツイッター)』に声明を投稿し、同国の広告規制審議会(ACRON)が同国のメディアにおける外国人モデルや声優の使用を正式に禁止したことを発表した。
ナイジェリアでは、長年広告において白人の俳優を起用し、英国訛りのナレーションで制作されることが多かった。しかし、今年10月1日から発行される新たな禁止令により、自国の才能を育てる方法として、白人やナイジェリアン以外のモデルや声優の広告出演を禁止するルールが施行されることになる。この動きは、ナイジェリア出身者における表現のあり方を取り戻すための大きな一歩となるようだ。
ナイジェリア広告代理店協会の会長であるSteve Babaeko(スティーブ・ババエコ)は、英国の新聞『Times(タイムズ)』とのインタビューで「10~20年前のコマーシャルをチェックすると、ネイティブと外国人の顔がほぼ半々づつで、ナレーションはすべて英国訛りだったと思う」と述べている。これはナイジェリアのブランドの多くが“外国人の顔を使う傾向が強かったから”だという。またBabaekoは、ここ数年ナイジェリアは「一種のルネッサンスを遂げているように見える」とも指摘し、若い人々の中に“新たなプライドの融合”を見出している、と言う。そして更に「この国には2億もの人がいるのです。このCMのためにネイティブのモデルを見つけられなかったとでも言うのだろうか?」と訴えかけている。
また、今回の禁止令で、ようやく国民感情に追いついたと見る向きも多く、アフリカの歴史と物語がその人々によって語られるようになるための第一歩として期待されている。もし、企業がこの禁止令に背くことを選択した場合、広告に起用した外国人モデルごとに関税の支払いが発生することになる、と予想されている。
Ban on the use of Foreign Models and Voice-Over Artists on the Nigerian Advertising Medium/Media pic.twitter.com/5pICTqOUt1
— Fed Min of Info & Cu (@FMICNigeria) August 23, 2022