ジャネット・ジャクソンの “Rhythm Nation” 再生により古いハードディスクがクラッシュする事が発覚
ミュージックビデオを再生すると、競合他社のラップトップもクラッシュするという
ジャクソン・ファミリーの末っ子であるJanet Jackson(ジャネット・ジャクソン)がリリースした1989年の名曲 “Rhythm Nation”は、いまだに音楽シーンを賑わせており、ラジオやストリーミングなど身近な環境でもよく耳にする名曲だ。しかしこの楽曲の再生で思わぬアクシデントが発生する可能性があることが指摘された。
「Microsoft(マイクロソフト)」のWindows(ウインドウズ)ソフトウェア開発者であるRaymond Chen(レイモンド・チェン)氏は8月16日(現地時間)、2005年頃に販売された5400RPMのノートパソコン用HDD(ハードディスクドライブ)に脆弱性が存在するというレポートを発表した。この脆弱性を持つノートパソコンでJanetの“Rhythm Nation”を再生するだけで、ディスクがクラッシュし、そのノートパソコンを破壊するかもしれないというのだ。HDDは、SSD(ソリッドステートドライブ)に取って代わられつつあるが、世界中の多くの機器にまだ残っている。
Raymondはレポートの中でこのように説明している。「私の同僚が、Windows XPの製品サポートでの話を教えてくれました。ある大手のコンピューターメーカーからの報告で、“Rhythm Nation”のミュージックビデオを再生すると、ある機種のノートパソコンがクラッシュすることを発見したというのです。この問題を調査するために彼らが設置した実験室に行ってみましたが、あまりいい気分はしませんでした。アーティスティックな判断ではないし、懐疑的だったからです」
しかしその調査での更なる発見は、そのミュージックビデオを再生すると、競合他社のラップトップもクラッシュするというものだった。
「What’s going on(どうしたんだ)?」
さらにRaymond氏はこう説明を続ける。「極めて奇妙なことが発見されました。あるノートパソコンでこのミュージックビデオを再生すると、その近くにある別のノートパソコンまでクラッシュしたのです! そのノートパソコンはビデオを再生していなかったのに」。
その楽曲には、同社や他のメーカーが使っている5400rpmのノートパソコン用ハードディスクと同じ固有振動数の1つが含まれていたというのだ。この欠陥は、独自のCVE脆弱性追跡番号を持ち、“Rhythm Nation”がハードドライブ内の動きによって生じる自然共振周波数の1つを不注意に発生させることに起因しているということらしい。
ちなみにこのメーカーは、オーディオの処理システムに特別なフィルターを追加し、オーディオ再生時に問題の周波数を検出して除去することで問題を解決したとのことだが、もし身近で2005年頃に販売されたWindows搭載のPCが未だ使われているようであれば、“Rhythm Nation”の曲が流れてきたらすぐにシステム終了させるか、どうしてもこの曲が聴きたければ、すぐにPCを買い替えた方が良いかもしれない。