27億円以上と言われる McLaren F1 のワンオフモデルがオークションに出品
「BMW」Z1のヘッドライトにハイダウンフォースキットが与えられたシャシーNo.59は特別な一台
奇才と謳われる自動車デザイナー Gordon Murray(ゴードン・マレー)が手掛けた「McLaren(マクラーレン)」“F1”は、もはや伝説と言って良いだろう。1992年から1998年にかけて106台が生産されたが、その中でも特別なこのシャシー No.59が、8月18日(現地時間)から米国で開催される「RM Sotheby’s(RM サザビーズ)」のオークションに出品されることが分かった。
この車両が傑出している理由はいくつかあるが、分かりやすいところではエクステリアの違いだ。フロントライトは通常丸型ハロゲンライトを2つずつ備えているが、こちらは、スクエア型と丸型のコンビになっている。これは「BMW(ビー・エム・ダブリュー)」“Z1”に装着されていたライトユニットを採用しており、“F1”が抱えていた夜間の照明不足という問題を解決するためのテスト車両としてこのライトが取り付けられたワンオフマシンだった。他にもリップ・スポイラーを含めたハイ・ダウンフォース・キットが与えられ、18インチの新型リム付ホイールが装着されたタイヤと共に、他の“F1”とは外観上の違いを与えている。
走行距離はわずか1万6,400マイルで、車は定期的に整備され、1998年から2012年までの各整備の請求書が保管されている。最高馬力618hp、最大トルク479lb-ftを発生し、3.2秒で時速100Km/hを達成するBMW製V12エンジンは、「McLaren Special Operation(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)」によってしっかりとメインテナンスが施されていたので完璧な走行状態だとしている。
1998年に最初に登録された時の新車での販売価格は634,500ポンド(約1億円)で、最近では、2021年に米国で行なわれたオークションに別の車両が出品され、2,050万ドル(約27億6千万円)の値が付けられている。しかしこのシャシー No.59は、「McLaren」“F1”の系譜を考えると、さらに高値で取引される可能性が高いだろう。詳しいことが知りたい方は「RM Sotheby’s」のウェブサイトで確認してみよう。