Google が “AI に感情がある”と主張したエンジニアを休職処分に
“感情を持つAI”は“科学者というより聖職者のよう”だったとのこと
2001年公開の『A.I.』や2013年公開の『her/世界でひとつの彼女』など、SF作品において感情を持つAIが登場することは少なくないが、「Google(グーグル)」でAI(人工知能)開発チームに所属していたソフトウェアエンジニアが、AI搭載のチャットボットに“感情が芽生えている”と主張したことにより有給の休職処分を受けたことで注目を集めている。
シニアソフトウェアエンジニアのBlake Lemoine(ブレイク・レモイン)が“感情を持っている”と主張したのは、多種多様な性格表現を用いて人間のユーザーと対話するチャットボット『LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)』。同氏は、米パブリッシングプラットフォーム『Medium(ミディアム)』でこの主張を公にした後に「Google」から有給休職処分を下されたことを公表。十分な証拠を得るために社外の人々と共に倫理的な問題について調査したと述べた。さらに、6月11日(現地時間)に米紙『The Washington Post』が掲載したLemoineへのインタビューの中で、同氏は自身が接触した「Google」のAIは“科学者というより聖職者のよう”だったと結論付けており、“感情を持っている”ことを証明するために社内で実験を提案したが、上層部に拒否されたとしている。なお、「Google」は『LaMDA』に自我があるとするLemoineの主張を否定している。