ミッキーマウスが2022年内に著作権フリーに?
米共和党議員が「Disney」からミッキーの著作権を剥奪する法案を提出

1928年に公開された短編アニメ作品『蒸気船ウィリー(原題:Steamboat Willie)』でスクリーンデビューして以来、「Disney(ディズニー)」の看板キャラクターとして世界中で愛され続けているミッキーマウス。この20世紀を代表するアイコンが、早ければ2022年内に著作権フリーになる可能性が高いと報じられた。
1998年にアメリカで制定されたソニー・ボノ著作権延長法では、1977年までに製作された作品(映画、音楽など)の著作権保護期間を発表後75年から95年に延長し、さらに1978年以降に公開された作品の保護期間については著作者の死後70年間、法人著作品の場合は発行後95年間もしくは製作後120年間と定められている。ミッキーマウスの著作権がいつから発生しているのかには諸説あるものの、初登場作品と言われている『蒸気船ウィリー』の著作権保護期間が2023年で満了となるため、それに伴いこのキャラクターの著作権も消滅することに。しかし、「Disney」は同社の“顔”であるミッキーの著作権更新を求めて現在まであらゆる活動を水面下で遂行していると噂されており、多くの人々は今回も再び保護期間延長になるのではと予想していた。
ところが、今年4月に共和党議員が「Disney」CEOであるRobert Chapek(ロバート・チャペック)に対し、「ミッキーマウスの著作権を更新することに反対する」といった旨の手紙を送ったことが発覚。さらに、5月10日(現地時間)には共和党上院議員のJosh Hawley(ジョシュ・ホーリー)が、「Disney」からミッキーの著作権を2022年内に剥奪する法案を提出したことを複数のメディアが報じた。この法案が可決すれば、ミッキーマウスは2022年内にパブリックドメインとなり、「Disney」の許可を必要とせずにキャラクターグッズ等が誰でも作成可能となる。
著作権法を専門とするコーネル大学のJames Grimmelmann教授は今回の件に関して、現代のキャラクターの著作権システムは1920~1930年代よりもはるかに包括的なものになっていると指摘した上で「1920年代以前にはミッキーマウスを超えるようなキャラクターは存在していませんでした。あれほど有名かつ象徴的なキャラクターの著作権が消滅するような事例は、法律的にも未知の領域です」とコメントした。