Lotus が初となる電動ハイパー SUV Eletre を発表
「Lotus」の持つスポーツカーのDNAを感じさせるライフスタイルEV
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イギリスのスポーツカーブランド「Lotus(ロータス)」初の電気自動車SUVとなるニューモデル Eletre(エレトレ)がついに発表された。これは同社初の5ドア市販車かつ非スポーツカー、初のライフスタイルEVと呼べるもので、「Lotus」は「グローバルパフォーマンスカーブランドへの継続的な変革は、これまでで最も重要なマイルストーンに達した」と述べている。
Eletreのボディサイズは全長5103mm、全幅2135mm(電動リアミラーディスプレイ車)/2231mm(ドアミラー車)、全高1630mm、ホイールベース3019mm。キャブフォワードかつロングホイールベースの“大胆かつドラマチックな”スタイリングとなっているが、短いノーズは「Lotus」の象徴であるミッドシップ・レイアウトのスタイリングを踏襲したものだという。このデザインの特徴的な要素は、EmiraやEvijaにも見られる“Porosity(ポロシティ)”と言われる。Porosityとは、固体物質に含まれる孔や隙間といった空隙の割合を示す言葉であり、Eletreも“車の中を空気が流れる”という思想で作られている。これはボンネットやフロントホイールアーチ前方や後方、リアホイール後方、さらにDピラー上部に空隙が設けられ、走行中の空気が流れ空力的な効果を持つように作られている。
また、正面のアクティブフロントグリルも、静止時、あるいは走行中空気抵抗を減らす必要がある時は閉じたままになる一方、電気モーターやバッテリーパック、フロントブレーキの冷却が必要なときには、独特のパターンで開いて空気をラジエーターに送り込み、クルマが“呼吸”できるように設計されている。パワートレインには高電圧配電システムが統合された全く新しい800v EVアーキテクチャ—を採用。電気モーターは前後にひとつずつ配置され、それぞれ前輪と後輪を駆動。最高出力600hp以上、最高速度260km/h、航続距離600km、0-100km/h加速は3秒以下というスペックを誇る。バッテリーは床下の地面近くに配置され、低重心を実現している。
さらにエアサスペンションとコンティニュアスダンピングコントロール(CDC)が標準装備されるほか、アクティブライドハイト、アクティブリアアクスルステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングがオプションで用意されるとのこと。インテリアはエクステリア同様にEmiraやEvijaからインスパイアされたもので、“パフォーマンス指向のテクニカルなデザイン”となっている。ドライバー重視でデザインされたというダッシュボードは、「Lotus」独自のライトウェイト哲学(必要のないものは取り除く)を示している。
インパネ上部にはフラットなライトが横切っているがこれは装飾的なものではなく、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)の一部を形成している。このライトの色が変わることによって、車内温度の変更、車両のバッテリー充電状態などが告知される。ドライバー前方のメーター類は高さ30mm未満のスリムサイズに縮小されているが、これは助手席側も同様で、ドライバー側とは違う音楽選択や近くの名所など、様々な情報を表示。その間には、15.1インチのランドスケープインターフェイスを設置され、不要な場合にはフラットに折りたたむことも可能。ヘッドアップディスプレイも搭載され、拡張現実(AR)技術を介してドライバーに情報を表示することも可能だ。
また、Eletreではドアミラーの代わりに電動リバースミラーディスプレイ(ERMD)を採用。バックミラー用カメラ、駐車を支援する360度上方カメラ、そしてインテリジェントドライビングテクノロジーの一部である3つのカメラも搭載している(許可されていない市場向けには標準のドアミラーとなる)。このうち3つ目のカメラはLiDARシステムと連動し、自律走行機能を実現している。LiDARシステムは「Lotus」としてはEletreに初採用された技術で、自動運転技術をサポート。ユーザーがスマートフォンアプリを使用して、自動駐車も可能になっているという。Eletreは、中国に完成した新工場にて、2022年後半から生産開始の予定だという。詳しくについてはこちらで確認しよう。