前澤友作所蔵のバスキアの超大作が Phillips のオークションに出品
1982年の名作 “Untitled”が『Phillips New York』のイブニングセールの主役に
日本を代表する実業家であり、世界的なアートコレクターとしても知られる前澤友作氏が所有するJean-Michel Basquiat(ジャン=ミシェル・バスキア)の超大作 “Untitled”が、今年5月に米ニューヨークで開催予定の『Phillips(フィリップス)』主催のオークションに出品されることが発表された。
Basquiatが1982年に製作した“Untitled”は、高さ約8フィート、幅16フィート以上の大きさを持つ、彼のキャリアの中でも最大級の作品。この印象的な横長のサイズは、Basquiatが幼少期にニューヨーク近代美術館で見たPablo Picasso(パブロ・ピカソ)の名作 “Guernica(ゲルニカ)”に強い印象を受けたことに由来しているという。抽象表現主義を思わせるジェスチャー的な色彩の中に浮かび上がるこの作品は、彼がそれまで描いた殉教や聖人とは明らかに対照的であり、天国と地獄の二元性への関心を体現したもの。1996年に出版されたBasquiatのカタログレゾネの表紙を飾り、いくつかの回顧展でも目玉作品として紹介された“Untitled”は、独特の図像と彼の画家としての比類なき才能を示す、間違いなく最高傑作のひとつ。
前澤氏は2016年5月にニューヨークで開催された「Christie’s(クリスティーズ)」のオークションで、同作品を当時作家の過去最高落札額となる5,700万ドル(約66億円)で落札。彼は今回のオークションへの出品について以下のようなコメントを発表。「この“Untitled”と過ごした約6年間は、幸せで刺激的な忘れられない時間となりました。アートコレクションとは、自身の成長・変化と共に、常に進化を続け、なるべく多くの人々に共有されるべきものだと信じています。この素晴らしい作品が次の持ち主へと受け継がれ、世界中の人々に楽しんでもらえることを心より願っています。そしてまた、進化を続ける私のアートコレクションを、近い将来完成予定の私の美術館で皆さまにお披露目できることを楽しみにしております」
Basquiatの“Untitled”は、5月18日(現地時間)に『Phillips New York』で開催される20世紀・コンテンポラリーアート部門のイブニングセールに出品され、ニューヨークのオークションシーズンの幕開けを華々しく彩る。本オークション開催に先立ち、この作品はロンドン、ロサンゼルスと台北でプレビューツアーを行い、その後、『Phillips』のニューヨーク本社(*432 Park Avenue)にて展示されるとのこと。落札価格については、7,000万ドル(約80億円)を上回ると予想されている。なお、『Phillips』は本作品の支払いにETH(イーサリアム)またはビットコインの暗号通貨を受け入れることを明らかにした。
本オークションの詳細については、『Phillips』の公式サイトでご確認を。