英ロイヤル・カレッジ・オブ・アートがヴァージル・アブロー奨学金制度の新設を発表
恵まれない境遇ながらアートを学びたい英国籍黒人の学生が対象
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イギリスのロンドンにある国立の美術大学『The Royal College of Art(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、RCA)』が、イノベーターである故 Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)を称える新たな奨学金を正式に発表した。
同校によると、Virgilは2020年に名誉客員教授として参加するなど、『RCA』と長年の関係を築いていたという。この奨学金は彼の教育に対する献身的な姿勢に敬意を表し、経済的に恵まれない英国籍の黒人学生を対象に“RCA Virgil Abloh Scholarship(ヴァージル・アブロー奨学制度)”を設立。『RCA』は、デザインスクールのどの学科でも、経済的に厳しい状況にありながら非凡な才能を持つ学生に対し、来年から授業料の全額を奨学金として支給し、その総額は3万5,000ポンド(約580万円)になると発表している。
プレスリリースでは「このプログラムは、教育に対する障壁を取り除き、次世代の先見性のあるデザイナーや革新者を支援することを目的としています」と述べられている。また、全額の奨学金とは別に、英国人ファッションデザイナーやクリエイティブ業界のパートナーによる支援を受けながら、学業を通して業界体験やネットワーキングの機会を得ることができる。
Virgilは、次世代のクリエイターを支援することが文化を前進させる重要な方法であると度々声を上げていた。この奨学金はクリエイティブ産業全体の機会均等を支持することを目的としており、ファッション、テキスタイル、デザインプロダクト、サービスデザイン、インテリジェントモビリティなど、『RCA』のデザイン学科における全分野に適用される予定だ。