『ジャンゴ 繋がれざる者』の原案は自分だと言う Kanye West の主張をタランティーノが否定
Yeはどうやら1stアルバム『The College Dropout』の映画版を作りたかったらしい
Quentin Tarantino(クエンティン・タランティーノ)が監督を務めた2012年公開の映画『ジャンゴ 繋がれざる者』。現在、四面楚歌状態のKanye West(カニエ・ウェスト)は同作に関して「映画の原案は自分はもので、アイデアが盗まれた」という主張しているが、Tarantinoはこれに対して反論している。
事の発端は、10月22日(現地時間)に公開されたイギリスのジャーナリスト、作家、テレビパーソナリティのPiers Morgan(ピアース・モーガン)とのTV番組インタビュー。Ye(イェ)は2005年に、この映画の主役を務めたJamie Foxx(ジェイミー・フォックス)とコラボした楽曲『Gold Digger(ゴールド・ディガー)』をリリースしているが、この曲のミュージックビデオのアイデアとして、奴隷の物語をTarantinoとJamieにプレゼンしたという。『ジャンゴ 繋がれざる者』は、これを基に映画化したものだと訴えていた。
この主張に対してTarantinoは10月28日(同時間)に公開された別の米TVショーでJimmy Kimmel(ジミー・キンメル)のインタビューで反論。「Kanyeが映画のアイデアを思いつき、それを私に話して、私が彼に『へえ、それは本当に素晴らしいアイデアだと言った……』と言ったという彼の話は事実ではないね」と述べた。そしてKanyeに会う前からジャンゴ 繋がれざる者』の構想はあったと付け加えている。
Tarantinoは以前、Kanyeが2004年のファーストルバム『The College Dropout(ザ・カレッジ・ドロップアウト)』の“映画版”のアイデアについて説明を受けたことを明かし、その時Kanyeが『Gold Digger』のミュージックビデオのアイデアも簡単に説明したのだという。「彼は彼のデビュー作の映画版を、アルバムを作るのと同じようにやりたかったんだ。だから、彼は大物映画監督にアルバムの様々な曲の映像制作をやってもらって、大作映画としてリリースしたかったんだよ。ビデオじゃなくて、映画としてね。それぞれの異なる曲に基づいた映画だよ」とTarantinoは説明した。「だからKanyeはそれを口実に、俺と会うことにしたんだ。そして僕たちは実際に会って、その時は本当に楽しい時間を過ごしたんだ。そして、彼はビデオのアイデアを語り始めた。それが『Gold Digger』の映像で、彼が奴隷になるというものだったと思う。面白いアイディアだった」と語った。
しかしTarantinoは「そのアイディア自体は本当にクールに聞こえたよ。でも結局話は流れ、映画化はされなかった。彼が言っているのはそういうことなんだ。実現すればよかったんだろうけどね」と締めくくっている。結局のところ、自己中心的なKanyeの炎上発言でTarantinoにも火の粉が飛んだ形だ。