Maserati を象徴する GranTurismo が V6ターボと EV の2バージョンで復活
EVモデルは永久磁石モーターを3基を搭載し約760psという強烈なパワーを引き出す








イタリアの高級自動車メーカー「Maserati(マセラティ)」のアイコン的スポーツカーであるGranTurismo(グラントゥーリズモ)の新型車が10月3日(現地時間)にイタリアで発表された。
今回登場した新しいGranTurismoは、パワフルな内燃機関モデルと、革新的なEVモデルの2種類のパワーユニットから選択が可能となり、どちらのモデルにも共通して、スポーツカーとしての高いパフォーマンスと、長距離走行に適した快適性を兼ね備えている。このモデルは、“The Others Just Travel(人生を彩る快適な旅)”のコンセプトを具現化し、従来のガソリンエンジン車に加え、ブランド史上初の100%電気のパワートレインを採用したモデルをラインアップすることで、「Maserati」の未来への前進を象徴するモデルとなる。
これまでの「Maserati」の歴史に登場した“GT”と名が付くモデルの延長線上にある洗練されたデザインで、美しさと機能性の理想的なバランスを表現。一目で「Maserati」とわかるラインとピュアなフォルムによって、このメーカーの正統性と洗練されたデザイン要素を際立たせている。長いボンネットからタイヤを包み込むフェンダーへ向かって伸びるボディラインは、「Maserati」の全てのモデルに共通するクラシックなプロポーションを踏襲。そしてルーフからリアへのラインはダイナミックにシェイプされ、ブランドのアイコンであるトライデント(三叉槍)のロゴを配したCピラーのカーブを強調した。
内燃機関モデルの新型 GranTurismoには、2つのバージョンを用意。「Maserati」の開発した3.0リッターV6ネットゥーノ・ツインターボエンジン搭載のModena(モデナ)は490psを発揮し、ハイパフォーマンスモデルのTrofeo(トロフェオ)は、Modenaのエンジンをベースに更にスポーティな方向にチューニングを施すことにより、最高出力550psを絞り出す。
そして、同時にお披露目されたEVのGranTurismo Folgore(フォルゴ―レ)は、今回の発表の目玉といえよう。100%電気自動車用バッテリーを使用したパワートレインを採用しており、「Formula E」で培われた最先端の技術で開発を進めたというパワーユニットをベースに、300kWの強力な永久磁石モーターを3基(フロントに1基、リアに2基)を搭載し、並ならぬパフォーマンスを発揮、じつに約760psというパワーをタイヤに伝達する。また、T Borne(Tボーン)と呼ばれるバッテリーパックの形状は、バッテリーモジュールをシート下に配置せず、主にセンタートンネル周辺に移動させることにより、車の重心を下げることを可能にした。このバッテリーの仕組みと革新的な配置により、スポーティさを損なうことなく車高を1353mmという低さに抑えている。
「Maserati」のイノベーション・ラボで開発され、トリノ・ミラフィオーリの製造拠点で生産されるGranTurismoは、現段階では発売時期や価格など詳細は発表されていない。しかし「Maserati」の全モデルに共通するコンセプト“イタリアン・ラグジュアリー・パフォーマンス”を象徴したモデルだけに、一刻も早くリリース情報を待ちたいところだ。