UPDATE:ボクシング界のレジェンド マニー・パッキャオがフィリピン大統領選への出馬を発表
慈善家としても長らくフィリピンを支えてきた同国の英雄が満を持して参戦(UPDATE:現役引退を正式表明)
UPDATE(2021/9/29):不世出の名ボクサー Manny Pacquiaoが自身のSNSで現役引退を正式に表明した。16歳だった1995年にライトフライ級でプロデビューを果たすと、1998年の25戦目でWBCの同級王者に。その後、スーパーウエルター級までの6階級でタイトルを奪取。8月に黒星を喫したYordenis Ugás(ヨルデニス・ウガス)戦が26年に及ぶキャリア最終戦となり、72戦62勝8敗2分けの生涯戦績でグローブを置くこととなった。
「世界最高のファンと偉大なスポーツへ、素晴らしい思い出をありがとうございました。これは私の人生で最も難しい決断ですが、心穏やかな気持ちです。夢を追いかけ、一生懸命努力し、何が起こるか見ていてください。さようなら、ボクシング」
To the greatest fans and the greatest sport in the world, thank you! Thank you for all the wonderful memories. This is the hardest decision I’ve ever made, but I’m at peace with it. Chase your dreams, work hard, and watch what happens. Good bye boxing. https://t.co/Bde4wO82sA
— Manny Pacquiao (@MannyPacquiao) September 29, 2021
ORIGINAL(2021/9/22):ボクシング元世界6階級制覇王者 Manny Pacquiao(マニー・パッキャオ)が、噂されていた2022年5月のフィリピン大統領選への出馬を正式に表明した。
現在42歳のフィリピンの英雄は、8月に約2年ぶりの現役復帰戦を戦っていたが、実は同国で2010年より下院議員を、2016年より上院議員を務めているバリバリの政治家。今回の大統領選への出馬は、現職のRodrigo Duterte(ロドリゴ・ドゥテルテ)大統領と対立する与党内の派閥の指名を受け入れる形で、Pacquiaoの国内での圧倒的な人気を利用する狙いだ。
9月19日(現地時間)に開かれた派閥の会合でPacquiaoは、「私はリングの中でも外でも常にファイターであり続ける。指導者として挑戦する準備は出来ている。(Duterte大統領の汚職問題に触れ)国のお金を盗み続けている政府の関係者は、間もなく刑務所に入ることになるだろう。これで終わりだ」と宣戦布告。なお、フィリピンでは大統領の再選が禁じられており、最有力候補にはDuterte大統領の長女が挙げられている。
本業のボクシングについては、9月21日(同時間)にフィリピンの歌手 Toni Gonzaga(トニー・ゴンザガ)の公式『YouTube』で現役引退を表明。「私のボクシングのキャリアは既に終わっている。長い間ボクシングを続け、家族はもう十分だと言ってくれた。今後は他のボクサーをサポートし、世界王者を誕生させたい」と、グローブを置き後進育成に努める旨を発表したが、所属事務所はこれを否定する有耶無耶な状態となっており、今後数週間以内にPacquiaoのSNSで改めて発表するそうだ。
ボクシングで数々の偉業を成し遂げてきたことは言うまでもないが、慈善家としても長らくフィリピンを支えてきたPacquiao。彼に政治的な手腕が期待できるかというと難しいかもしれないが、国を引っ張る存在としてはこれ以上ないだろう。しかし、傀儡政権化する可能性も高いので、フィリピン国民の方々には慎重な姿勢で判断してもらいたい。