Drake の『Certified Lover Boy』で用いられた全てのサンプリング元楽曲を紐解く映像が公開
『CLB』をもう一歩踏み込んで楽しみたいという方は是非チェックを
去る9月3日(金)にリリースされたDrake(ドレイク)の6thアルバム『Certified Lover Boy』。稀代のラップスターによる3年ぶりの新盤というだけあり、リリースから5日と経たずに『Spotify』だけでアルバムの総再生回数が3億回を超えるスマッシュヒットを記録しているが、今回この『CLB』の収録曲に用いられた全てのサンプリング元楽曲を紐解く動画が人気『YouTube』アカウント “Bandstand”によって公開された。
動画に触れる前に、改めてサンプリングについて軽くおさらいしたい。(諸説あるが)メロトロンと呼ばれる楽器を利用して1940年代に生まれたとされる表現技法で、サンプラーやドラムマシンの発達と共に1970年代以降のヒップホップやクラブミュージックといったジャンルで多用されるように。過去の曲や音源の一部、はたまた環境音を引用し、ピッチや音程を変更するなど再構築して新たな楽曲を制作するため、自らが歌わず楽器も演奏することなく曲作りを行うことが出来るのが最大の特徴。特にヒップホップシーンにおいては、作曲者の著作権侵害という問題を抱えながらも先人たちへのリスペクトから今日まで発展を続け、文化とも呼ばれるほどに重要な技法なのだ。
そして今回公開された動画 “Every Sample From Drake’s Certified Lover Boy”では、サンプリング元楽曲→『CLB』の楽曲の順で分かりやすく紹介。その一部をピックアップすると、アルバムの冒頭を飾る“Champagne Poetry”はトラップハウス・ジャズを確立したMasego(マセゴ)の“Navajo”から、Travis Scott(トラヴィス・スコット)を迎えた“Fair Trade”は同郷のシンガーソングライター Charlotte Day Wilson(シャーロット・デイ・ウィルソン)が2019年にリリースしたばかりの“Mountains”から、JAY-Z(ジェイ・Z)との“Love All”はThe Notorious B.I.G.(ザ・ノトーリアス・B.I.G.)の“Life After Death”から引用しているといった具合だ。また、『CLB』の楽曲が実は元ネタのタイトルをもじっていることなども判明する約3分間の映像となっている。
“Bandstand”では『CLB』のほかにも、Kanye West(カニエ・ウェスト)の『DONDA』やBROCKHAMPTON(ブロックハンプトン)の『ROADRUNNER: NEW LIGHT, NEW MACHINE』などのサンプリング元楽曲も暴いているので、それぞれのアルバムをもう一歩踏み込んで楽しみたいという方は是非チェックしてほしい。