アントワーヌ・グリーズマンが日本人への差別的発言から『遊戯王』のアンバサダーを解任
2019年に撮影されたとある映像が流出し、夢だった『遊戯王』との関係はわずか1カ月で解消されることに
つい先月、フランス代表とスペインのバルセロナで活躍する点取り屋 Antoine Griezmann(アントワーヌ・グリーズマン)が、『遊☆戯☆王』の『遊☆戯☆王トレーディングカードゲーム(遊戯王TCG)』のアンバサダーに就任したニュースをお伝えしたが、このたび同カードゲームを発行する「KONAMI(コナミ)」から解任が発表された。
これは2019年夏にバルセロナがプレシーズンツアーで来日した際に撮影された、とある映像が流出したことに端を発する。映像はGriezmannとチームメイトであるOusmane Dembélé(ウスマヌ・デンベレ)がホテルの滞在中に撮影したもので、彼が日本人スタッフの顔を写しながら「こんな醜い顔で、恥ずかしくないのか」「どれだけ後進国の言葉なんだ」など容姿や言語を侮辱する発言が収められており、Griezmannも何か言葉を口にしたのちDembéléと共に笑い合っている姿が確認できる。
この映像が流出後、両選手は自身のSNSを通じて釈明と謝罪を表明。しかし、Dembéléは「映像の舞台がたまたま日本だっただけです。地球上のどこでも起こりえたし、同じような表現を使っていたと思います。特定のコミュニティを対象にしたものではありません。私はプライベートで、相手がどこの国の人であろうと友人とこのような表現を使う事があります」と、若干開き直りのような謝罪文を24時間で内容が消える『Instagram』のストーリーに投稿したことから火に油を注ぐ事態に。
この結果、「KONAMI」は公式サイトに「スポーツの理念がそうであるように、いかなる差別も許されるものではないと考えています。遊戯王コンテンツでは、グリーズマン選手とのアンバサダー契約は解除することとしました」と声明を掲載し、Griezmannとの関係をわずか1カ月ほどで解消することを発表。また、同社はバルセロナのグローバルパートナーであるほか、人気ゲーム『ウイニングイレブン』も手掛けており、声明には「サッカーコンテンツでは、FCバルセロナに対してクラブパートナーの立場として本件の詳細な経緯と今後の対応の説明を求めていきます」というコメントも記載されている。
さらに、バルセロナのスポンサーである「楽天」が公式サイトで同様の声明を発表し、三木谷浩史会長兼社長も『Twitter』で抗議の意を示しており、同社の今後の対応にも注目が集まるが果たして。
FCBの選手が差別的発言をした事について、クラブのスポンサーまたツアーの主催者としてとても残念に思います。楽天はバルサの哲学に賛同し当クラブのスポンサーをしてきただけにこのような発言は、どのような環境下でも許されるものではなく、クラブに対して正式に抗議すると共に見解を求めていきます
— 三木谷浩史 H. Mikitani (@hmikitani) July 6, 2021