1990年代初頭の東京のゲームセンターの様子を捉えた貴重なドキュメンタリー映像が公開
「過去はいつも新しく、未来は常に懐かしい」
最近『YouTube』にアップされたある映像がネット上で話題となっている。その映像とは、1990年代初頭の東京のゲームセンターの様子を映し出したドキュメンタリー番組だ。
この映像は、1992年7月に4夜連続で「NHK BS2(NHK 衛星第2テレビジョン)」で放送されたドキュメンタリー番組『仮想現実遊戯大全 ゲーム・ワールドへの招待』の一部を編集したもの。同番組は当時人気の家庭用ゲーム機や、開発が進められていたVRを使用したゲームなどの状況を、開発者などのインタビューを交えて紹介し、さらに未来のゲーム業界についても考察するような内容が話題となった。今回公開された動画は、その番組の第3話 “「ゲーセン」と呼ばないで!”から抜粋された。映像では東京・練馬区のゲームセンター『スペース・ファンタジー』が取り上げられており、1992年当時一大ブームであった格闘ゲーム『ストリートファイターⅡ ダッシュ』の大会のために、全国から集まるゲーマーたちの姿が捉えられている。今となってはこうしたゲーム大会もオンラインでの開催が主流となっているため、20代以下の方の目には新鮮に映るのではないだろうか。
映像内で同店長が語っている通り、当時のゲームセンターは大型店舗が全国的に乱立しており、個人経営の店は集客が難しくなっていた。実際、「JAIA(一般社団法人日本アミューズメント産業協会)」の調査によると、日本国内のゲームセンターはピーク時の1993年の時点で8万店舗以上あったものの、この25年で約7万店舗以上が閉店している。しかし、今年2月に同協会が公開した2019年度の『アミューズメント産業界の市場規模』によると、ゲームセンターなどのアミューズメント施設の売上を示す“オペレーション”の売上高は、2015年以降年々増加傾向にあり、2019年度は5,408億円で前年度比4.0%の増加を記録した。現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、人々が集まるのはますます難しくなっているものの、近い将来またこのような光景が見られる日が来るかもしれない。そんな未来に想いを馳せつつ、上の動画をチェックしてみよう。