Patek Philippe が展覧会 “Rare Handcrafts 2021” で発表した新作6点にクローズアップ
“希少なハンドクラフト”技術が注ぎ込まれた珠玉の新作時計をチェック
スイスを代表する3大時計メーカーの1つ〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉が、ジュネーブにある本社で関係者や顧客に向けた展覧会 “Rare Handcrafts 2021”を6月16日から26日(現地時間)まで開催している。本展覧会ではその名の通り同社が長年培ってきた技術が注ぎ込まれた“希少なハンドクラフト”の新作時計の数々がお披露目された。同社は昨年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以来、新作を公開する機会を設けていなかったため、今回の展覧会では約2年分の創作の成果が一堂に会することになり、過去最も充実したラインアップとなった。本稿では“Rare Handcrafts 2021”で発表された新作6点をご紹介する。
Ref. 6002R-001 Sky Moon Tourbillon Haut Artisanat
2001年に発表され、今年20周年を迎えたSky Moon Tourbillon(スカイムーン・トゥールビヨン)は、同社の時計の中でもGrandmaster Chime(グランドマスターチャイム)に次いで2番目に複雑な機能をもつモデル。その新作であるSky Moon Tourbillon Haut Artisanat(スカイムーン・トゥールビヨン オート・アルティザナ)は、機能的には現行モデルと変わらないものの、ケースが直径 44mm x 厚さ 17.35mmの18Kローズゴールド製で、リュウズやスライドピース、時/分針、折り畳み式バックルなどの全面に手彫金による渦巻と唐草模様が施され、前面文字盤にはシャンルヴェ本七宝とクロワゾネ七宝が組み合わされているなどの凝った装飾が特徴だ。さらに、本モデルには同様の装飾のカフリンクスが同梱される。
Ref. 5304/301R-001 Minute Repeater with Retrograde Perpetual Calendar
伝統的な機械式時計における複雑機構の1つであるミニット・リピーターとレトログラード日付表示付永久カレンダーを搭載した自動巻グランド・コンプリケーション Ref. 5304がリニューアル。ケースは直径 43mm x 厚さ 13.3mmのローズゴールド仕様で、ベゼルやラグ、折り畳み式バックルに80個のバゲットカット・ダイヤモンド(約6.22カラット)を配置。これらの装飾と、ケース側面のホワイトゴールド・インサートに刻まれた葉のモチーフが相まって、美しい外観を演出する。
Ref. 5374G-001 Minute Repeater with a Perpetual Calendar
ミニット・リピーターと永久カレンダーを搭載した自動巻グランド・コンプリケーション Ref. 5374が、光沢仕上げの本青七宝文字盤を初めて備えたホワイトゴールド・バージョンとして登場。文字盤のカラーと呼応する深いブルーのアリゲーター・バンドにはホワイトゴールドの折り畳み式バックルが付属する。また、ムーブメント周囲をほぼ2周する長さのカセドラル・ゴングが深い音色を奏でるのも大きな魅力の1つ。
Ref. 7040/250G-001 Rare Handcrafts Minute Repeater for Ladies
本モデルは、2011年に発表された同社初のレディス用ミニット・リピーターモデル 7000Rをホワイトゴールド仕様にアップデートした新作として登場。最も目を引く渦巻模様の文字盤プレートは、ギヨシェ装飾(同心円状の規則性のある模様)の上に透明な青七宝を施した“フランケ七宝”と呼ばれる希少なハンドクラフト技術によって仕上げられ、ベゼルに168個のダイヤモンド(約0.78カラット)、バックルには26個のダイヤモンド(約0.18カラット)を備えたエレガントな1本となっている。
Ref. 5738/51G-001
Golden Ellipse(ゴールデン・エリプス)は、有名な“黄金比分割”に倣った縦横の比率(1:1.6181)をもつエリプス(楕円形)のケースが大きな特徴の、ドレスウォッチとして人気の高いモデル。今回発表された新作は、独創的な装飾の文字盤が美しい工芸品のような1本。18Kの文字盤プレートには、彫金によりくぼみが形成され、そこに“シャンルヴェ七宝”と呼ばれる技術によって、本黒七宝が施されている。また、ホワイトゴールドの地の部分には手彫金による唐草模様と渦巻模様があしらわれ、伝統的な技術と現代的なデザインが融合したモデルに仕上がっている。
Ref. 7118/1450G-001
1976年に誕生した同社の人気シリーズ Nautilus(ノーチラス)の新作は、全面にダイヤモンドをあしらった“Bling Bling”なモデル。文字盤に286個(約0.92カラット)、ケースに518個(約2.52カラット)、リュウズに20個(約0.03カラット)、ブレスレットに1,729個(約9.22カラット)の合計 2,553個のダイヤモンド(計12.69カラット)を備えた驚きの超豪華仕様だ。ラッパーが好みそうな本モデルは、『HYPEBEAST』の読者であればいつかは手に入れていただきたい1本となっている。