ウイルス対策ソフトウェア開発のパイオニア ジョン・マカフィーが死去
米最大手のインターネットセキュリティ関連ベンダー「McAfee」の創業者が刑務所内で自殺

6月23日(現地時間)、アメリカ最大手のインターネットセキュリティ関連ベンダー「McAfee(マカフィー)」の創業者であるJohn McAfee(ジョン・マカフィー)が、収容されているスペインの勾留施設で死亡したことが明らかになった。当局者によると、死因は自殺とみられるようだ。享年75歳。
John McAfeeは1945年、イングランドの米軍基地で生まれ、アメリカ・バージニア州セイラムで育つ。ロアノーク大学で数学の学士号を取得後、1968年から1970年までニューヨークにある「NASA」のゴダード宇宙科学研究所にプログラマーとして勤務。いくつかの職種を経て、「Lockheed Corporation」勤務時の1987年に「McAfee」を設立し、コンピュータウイルス対策ソフトウェアの開発を始める。彼はシェアウェアビジネスモデルを用いて、ウイルス対策ソフトウェアを配布した最初の人物となった。McAfeeは同社をインターネットセキュリティ関連ベンダーのリーディングカンパニーに育て上げ、1994年には持株を売却して退職。その後もさまざまなインターネット関連のベンチャー企業の創業に関わった。
このような過去の輝かしい経歴に反して、近年のMcAfeeは多くのニュースでその名を目にすることが多くなり、世間を騒がせていた。2008年に中南米のベリーズに移住したMcAfeeは、2011年4月に薬物と武器所有の容疑で逮捕。すぐに釈放されたものの、同年11月には隣人殺害容疑の重要参考人として指名手配される。その後グアテマラに逃亡するも、同年12月に不法入国の容疑で逮捕され、アメリカへ送還された。2016年と2020年にはアメリカ大統領選への出馬を表明したが、当然世間から多くの非難を浴びることに。そして2020年、McAfeeはここ数年で得た数千万ドルにもおよぶ所得を意図的に申告しなかったとして脱税の罪で国際指名手配され、同年10月にスペイン・バルセロナの空港で身柄を拘束された。彼の死は裁判所がアメリカへの身元引き渡しを認めた直後に確認されたとのこと。