UPDATE:目立ちたがり屋の観客がツール・ド・フランス史上類を見ない大規模な玉突き落車事故を起こす
1人の女性がレース上に身を乗り出した結果、選手と衝突し十数人が落車する事態に(UPDATE:行方をくらませていたが身柄を拘束される)
UPDATE(2021/7/1):「Tour de France」の歴史に残る大規模落車事故を起こしたのちに行方をくらませていた女性が、6月30日(現地時間)に身柄を拘束された。当初はドイツ出身の人物かと思われていたが実際はフランス人の30歳の女性で、今回の事故により最高1年の懲役、または1万5,000ユーロ(約197万円)の罰金が科せられる可能性があるという。
今大会はこの事件に限らず転倒が相次いでおり、6月29日(同時間)には選手たちが一斉に立ち止まり安全性を抗議するシーンも見られた。トータル3,500km以上にも及ぶコースを管理するのは難しく、あの迫力がある走りを間近で観られるのはファンのモラルと選手の腕があってこそとはいえ、運営側には今後の対応策を検討してもらいたいものである。
ORIGINAL(2021/6/28):毎年7月にフランスおよび周辺国を舞台に開催される世界最大のサイクルロードレース「Tour de France(ツール・ド・フランス)」。120年近い歴史を誇るこの大会は、約3週間で本州1周とほぼ同等の3,500km以上を走破する超過酷レースとして知られているが、開催初日の6月26日(現地時間)に観客のとある行動から大規模な玉突き落車事故が発生してしまった。
「Tour de France」はレース横の沿道から観客が真近で声援を送ることができるのも醍醐味の1つであるが、残念ながら今回はこれが裏目に。1人の女性がレース上に身を乗り出す形でカメラに向かって「Allez Opi-Omi!(フランス語とドイツ語で“おじいちゃん、おばあちゃん、頑張ろう!”の意)」と書かれた段ボール製の看板を掲げていたところ、後方から迫る選手集団に気付かず先頭近くを走っていたドイツのTony Martin(トニー・マルティン)と接触。転倒したMartinに巻き込まれる形で後続の選手十数人も次々と落車し、数分間にわたってレースが中断されてしまったうえに3人が脱落を余儀なくされるという、大会史上類を見ない最悪の事件となってしまったのだ。
問題女性はすぐさま現場から逃走し行方知らずとなっているが、「Tour de France」の副ディレクターは訴える意思を明確にし、フランス当局も意図的な傷害事件として捜査に乗り出しているとのこと。
日本でも「箱根駅伝」などで“試合そっちのけの目立ちたがり屋の観客“が見受けられるが、今回のような事態が起きてしまってからでは後悔しても遅いので、現地観戦する際は競技と選手へのリスペクト、そして周りへの配慮も忘れずに。
The worst Tour de France crash I've ever seen pic.twitter.com/1jngQE1pYg
— daniel (@cyclingreporter) June 26, 2021
What the heck is wrong with this fan?! It’s only Stage 1 of the #tourdefrance! pic.twitter.com/oxeQAK7WVI
— Julio Deluxe (@Julio_Deluxe) June 26, 2021
⚠ We're glad to have the public on the side of the road on the #TDF2021.
But for the Tour to be a success, respect the safety of the riders!
Don't risk everything for a photo or to get on television! pic.twitter.com/eA6nnhRhWv— Tour de France™ (@LeTour) June 26, 2021
How not to watch a bike race!
A crazy fan causes chaos on stage 1 of the Tour de France. pic.twitter.com/nydkPZWvXm— GlobalCyclingNetwork (@gcntweet) June 26, 2021
Another crash! Chris Froome down! #TourDeFrance pic.twitter.com/tzlLsBeYF1
— Sudatta (@iSudatta) June 26, 2021