HYPEGOLF Locker Room : 渡辺真史 インタビュー
スポーツとしてのゴルフということだけに留まらず、スタイルやカルチャーの観点から新しいゴルフを語る
『HYPEBEAST』の運営するゴルフアカウント『HYPEGOLF(ハイプゴルフ)』のお届けする特集企画 “#HYPEGOLFLOCKERROOM”。これは日本のゴルフ業界におけるキーパーソンやアップカミングな人物にフォーカスし、さまざまなアングルからゴルフについて深掘りするプロジェクトである。
その最新回では、ファッション業界を長きにわたり牽引するブランド〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS(ベドウィン アンド ザ ハートブレイカーズ)〉のデザイナーであり 『DAYZ(デイズ)』のディレクターの顔も持つストリートシーンの重鎮・渡辺真史をフィーチャー。ひょんな誘いで始めたというゴルフ。そのキャリアは決して長くはないが、デザイナーとしての目線から考える今後のゴルフ業界に対しての期待や提案など、スポーツとしてのゴルフということだけに留まらず、スタイルやカルチャーの観点から新しいゴルフを語ってもらう。
HYPEGOLF:まずゴルフを始めたきっかけは?
HYPEBEASTファウンダーであるKevin Maに誘われたのがきっかけ。ずっと前からゴルフには誘われていていつか行くと生返事はしていたけど、自分の中でのゴルフのイメージが正直自分とは遠いところにあるなと感じていて腰も重くなっていて。例えば高い料金だったり会員権だったり、自分のライフスタイルとは真逆だなと。サーフィンとかスノーボードとかストリートのスポーツはよく行くんだけど、実際にゴルフを体験するまでは少し時間がかかってしまった。
その後、断りきれずにゴルフ練習場に行ってみると予想外に楽しくて。もちろん全然打てなかったんだけど、ボールには当たったから前に飛ぶだけで嬉しかったし、小さなボールがこんなに遠くまで飛ぶっていうドキドキ感を味わえた。何度か練習した後、初めて実際のコースでラウンドする時にそこに(HYPEGOLF Japan編集長の)陽介もいたんだよね(笑)。
久しぶりにゴルフ場で会う真史さんの髪はピンクでしたよね(笑)。
そう!20年来の友達にまさかのゴルフ場で会えたのも嬉しかったし、それがゴルフの楽しみに繋がった。
ゴルフをするにあたって、ファッションで意識していることはなんですか?
今のゴルフって昔よりもだいぶ自由度が増してきていて、もちろんジャケットや襟付きなどのルールはあるにせよ、昔の自分のイメージよりももっとファッションを楽しめる土壌があることに気づいた。そうなると自分が普段しているスタイルも貫けるということがわかって、いよいよゴルフを敬遠していた理由がなくなった。スタイルを作ることが好きだから、ゴルフファッションは無理をせずラフでカジュアルに。あくまで普段の自分のスタイルを貫いていけるのも面白いところなんじゃないかな。それがまさしく今回の撮影でも感じた感覚と近い。
周りでのゴルフブーム的なものは感じていますか?
すごく感じる。徐々に周りのファッションの人達がゴルフに本気を出し始めてどんどん上手くなっているのを目の当たりにしているよ。一方で自分はアスリート気質ではないから、自分の好きなカルチャーの中でゴルフを楽しみたいという気持ちになってきた。例えば音楽を聞いたり、お酒を飲みながらだったり、友達と遊びの感覚で行ったり。その感覚にとても興味がある。あとは自分自身がやっているボクシングとゴルフでの体の使い方が近い気もするので、今までの趣味をゴルフにアップグレードすることができるかもしれない。そのコンビネーションがまたゴルフの面白いところ。
気になるのは、今後どうやってゴルフを長く続けていけるかということですね。
そこに関しては、ゴルフに出会えて感じていることなんだけど、下手でもいいからゆっくりと長く続けていきたいなと考えているよ。 運動量も格闘技ほどではないからね。笑 ゴルフは歳を取っても楽しめるアクティビティだから、スコアだけを意識するのでなく、周りの仲間達と生涯楽しみながら続けていけると最高だよね!
ファッションシーンを牽引するデザイナーとして、ゴルフファッションついてのイメージはどうでしたか?
既存のゴルフファッションは自分自身の価値観とは真逆のものが多い。 型にハマりすぎる人が多いように感じる。 自分自身の普段のスタイルとは全く違うものを着ているような。 そんなコンサバティブなイメージのゴルフスタイルに、新しい風を吹かしていきたいよね。 個人的にはゴルフスタイルは普段のスタイルの延長であって欲しいし、ゴルフだからってお決まりのスタイルにする必要はないんじゃないかと。
ゴルフスタイルにもっとバリエーションがあってもいいですよね。
そうだね。 もちろん最低限のルールはあるのは理解してる。 だだそれだけを意識して自分が好きではないスタイルをしたり、永遠に変わらないスタイルを続けるのは違うんじゃないかな。 新しいゴルフウェアの価値観や、既存のフォーマットでは存在しない新たなスタイルを提案することで、ゴルフ業界への間口が広がると思う。 それによってより沢山の人達がゴルフというものに興味を持って、色んなタイプのゴルファーが出てきたら、ゴルフのプレー自体のクオリティも上がってくるんじゃないかな。 そのうちクールなモヒカンのプレーヤーも出てくるかもよ。笑 独自のスタイルを持ったゴルファーが沢山出てきてくれると楽しいよね!
業界の為にもいい風が吹きそうですよね。
昔はクラブやイベントで会ってた人達が、今はゴルフ場で会うことが多い様に感じる。 あの時の昔話をラウンドしながらできるのも面白い。 違うグループだったり、年齢や性別の差があったとしても、ゴルフというスポーツを皆で楽しみに来てるからとてもフラットでいられるし、繋がりとしてはすごくオーガニック。 自分も構えずに自然体でいれるよね。ゴルフをするって、スケートボードや好きなバンドのライブに行く様な感覚に近いんじゃないかな。 色んなところから、ゴルフが好きってだけで人が集まる。 職種や考え方が違う人達が集まってもゴルフがあるからまとまるよね。 そこがとても面白い。 スタイリスト、フォトグラファー、クリエイター、デザイナーなんかが一斉にゴルフを始めてる。 ゴルフじゃなくてももちろんいいことなんだろうけど、みんながゴルフに集まってるってことが今のシーンになっている。 みんなが楽しいっていうベクトルの時は、いいものが生まれるような気がしている。つまりムーブメントが起こってるってことなんじゃないかな。