金正恩が北朝鮮でのスキニージーンズの着用を禁止する
ダメージジーンズやブランドTシャツの着用、ヘアカラーリングも禁止に

金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩(キム・ジョンウン)の親子3代による世襲独裁体制が70年以上にわたって続いている北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国。世界でも数少ない統制国家として、一般国民はインターネットすら自由に使用することができず、韓国映画の鑑賞など他国では犯罪とみなされない日常的行動で収監されてしまうことも少なくないが、このたび国全体でスキニージーンズの着用が禁止されたという信じ難いニュースが入ってきた。
報道によると、北朝鮮は2020年に最高刑が死刑である反動的思想・文化排撃法を採択するなど、以前にも増して国外からの情報や文化の流入の食い止めを強化しており、今回の着用禁止令はスキニージーンズによる“資本主義的なライフスタイルの侵略”を阻止するためだという。他にもダメージジーンズ、国外のブランドTシャツ、一部のデザインピアスなども対象となり、ヘアカラーリングやマレットヘアをはじめとする特定のヘアスタイルも禁止になったそうだ。
実質的な国営新聞『労働新聞』に掲載された社説では、「歴史が教えてくれる重要な教訓は、経済力や防衛力があっても自分たちのライフスタイルを維持することができなければ国は脆弱となり、最終的には湿った壁のように崩壊する可能性があるということだ」と、社会主義国家は資本主義文化の流入によって崩壊することを説いている。
これまでもファッションおよびヘアスタイルの規制をたびたび行ってきた北朝鮮だが、今回の禁止令は取り締まりが厳しく既に強制労働を科せられた例もあるという。自由であることが最大の贅沢となってしまったこの国で、再び自己表現を楽しめる日は訪れるのだろうか。