ハビブ・ヌルマゴメドフがフロイド・メイウェザーからの110億円の現役復帰戦オファーを断る
どれだけファイトマネーを積まれても母親との約束を貫く意思が勝るとのこと
2020年10月、Justin Gaethje(ジャスティン・ゲイジー)との試合後に突如リング上で引退を発表した元UFC世界ライト級王者のロシア人 Khabib Nurmagomedov(ハビブ・ヌルマゴメドフ)。彼はUFCで13戦13勝、キャリア全体では29戦29勝という総合格闘技の歴史において最長の無敗記録を持っており、現役時代に30戦無敗を目標に掲げていたことから引退を撤回するのではないかと期待されていたが、改めて現役復帰の考えは頭に無いことが明らかになった。
参考までにNurmagomedovは、レスリングや柔道の選手だった父親 Abdulmanap Nurmagomedov(アブドゥルマナプ・ヌルマゴメドフ)の指導のもと2008年に総合格闘家デビューを果たしたのだが、その父親が2020年7月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による合併症のため他界。その際、母親から「父がいなければもう戦わないでほしい」と懇願され、格闘技は父と共に夢を追うために続けていたことから引退を決めている。
Mike Tyson(マイク・タイソン)のポッドキャスト番組『Hotboxin』に出演したNurmagomedovのマネージャー Ali Abdelaziz(アリ・アブデルアジズ)によると引退発表後、このロシア人を再びリングに上がらせて無敗伝説に終止符を打つべく、世界中から巨額のファイトマネー付きオファーが舞い込んでいるという。その中には“Money”ことボクシング元世界5階級制覇王者 Floyd Mayweather(フロイド・メイウェザー)の名も有り、彼は1億ドル(約110億円)のファイトマネーを提示してきたがNurmagomedovはこれを拒否。「母に引退したと言った。母との約束は守るつもりだ。もし母がもう1度戦えと言えば、そうするかもしれない。でも今は、母は私に戦うなと言っている」と、どれだけファイトマネーを積まれても母親との約束を貫く意思が勝り、現役復帰はおろかトレーナーとしての活動も検討していないそうだ。
現在32歳とまだまだやれる年齢だけに、多くのファンはNurmagomedovがもう1度リングに立つ姿を見たいだろうが、格闘技人気の底上げを図るためにプローモーターとしての第二の人生を歩み始めた彼を温かく応援してあげよう。