Interviews : 日本のスニーカー界のキーマン3組が注目する New Balance の新作 M57/40 の魅力

『atmos』小島奉文、『mita sneakers』国井栄之 と〈WHIZLIMITED〉下野宏明、〈N.HOOLYWOOD〉尾花大輔が、それぞれのコラボレーションモデルを語る

フットウエア 

先日〈New Balance(ニューバランス)〉は新作スニーカー M57/40を発売した。本モデルのベースとなったのは、1980年代半ばに誕生した574であり、そこに1990年代に多く見られた流線形と曲線のデザインラインをマッシュアップすることで生まれた1足だ。アッパーサイドの大きな“N”マークとソールが上段と下段の2パーツに分かれているのが特徴。上段は、1990年代の流線形と曲線のデザインラインで、下段は1980年代風の直線系/ジオメトリックのデザインラインとなっている。そして、そんな注目スニーカーM57/40と日本のフットウェア界のキーマンといえる3組のショップ/ブランドがタッグを組んだコラボモデルが登場する。それぞれ574足という超限定数量で2021年3月20日(土)にリリースとなる。

その発売を記念して、コラボレーターである『atmos(アトモス)』のディレクター 小島奉文、〈WHIZLIMITED(ウィズリミテッド)〉のデザイナー 下野宏明と『mita sneakers(ミタスニーカーズ)』 のクリエイティブディレクター 国井栄之、〈N.HOOLYWOOD(N.ハリウッド)〉のデザイナー 尾花大輔にそれぞれインタビューを敢行。“スニーカー”、“スニーカー+ファッション”、“ファッション”、という3つの違うレンズを通して誕生した3組のコラボモデルの制作秘話や57/40の魅力についての話を伺った。

小島奉文 – あくまでも“スニーカーが主役”のデザインアレンジ

世界中のスニーカーヘッズたちのホットスポットとなっている『atmos』で、20年以上にわたりコラボスニーカーやスペシャルモデルを手がけている小島奉文。「寝るとき以外はスニーカーのことを考えている」と語るほど、自らもスニーカーマニアでもある。今回小島は、オリジナルのタイダイ柄、クリアパーツなどを用い、“夏のビーチサイド”をイメージしたカラフルなデザインでM57/40の『atmos』コラボモデルを仕上げた。

小島さんとNew Balanceというのは、珍しい組み合わせな気がします。

お店も自分もNike(ナイキ)のイメージが強いと思うのですが、最近は自分のSNSでも“#newbalance沼”というタグを使っているくらいNew Balanceにハマっています。履きやすいから朝つい手が伸びてしまう。今回のコラボレーションは社内で自分から手を挙げたのですが、実は僕がNew Balanceをちゃんと手がけるのは初めてなんです。

最初に57/40を見た時の印象は?

New Balanceは良くも悪くも“普遍的”だと思うのですが、57/40はある意味でこれまでのNew Balanceらしくないところが気に入りました。574は昔自分も履いていたけど、実物を見たら全くの別物で。“N”マークの大きさとかも賛否分かれるところですが、若い世代にとってはかなりフレッシュ。上手くアレンジされていて、レトロでニューな雰囲気に仕上がっていると思います。先に入荷したインラインのモデルもatmosではかなり好調に売れています。

今回のコラボモデルのデザインはどのようにして生まれたのですか?

テーマは僕だけじゃなく、社内のチームで話し合いました。いつもそうですが、雑談みたいなところから生まれるものって多いんですよ。だから雑談は大事。今回はコロナの影響もあってみんなどこにも行けないので、旅行に行きたい、ビーチに行きたいよね、みたいな話から生まれて。スプリングカラーを使いながら、ポジティブでエネルギッシュなものを伝えたかったんです。

全体のデザイン、ディテールでこだわった部分は?

ファッションとのバランスも考えてスニーカーを作ることは多いですが、ウチはいつも“スニーカーが主役”のデザインが基本です。それがatmosらしさだと思っているので、今回もカラフルですが、バランスもしっかり考えて仕上げています。あとは素材使いです。タイダイ柄のアッパーとインソール、クリアソール、クリアパーツの“N”マークを使い、同じ色の部分でも素材を変えていたりなど、通常の“New Balanceとは違う表情になる様”に意識もしています。574足限定って少ないですよね。今回も即日完売すると思います。

New Balance M57/40 × atmos「M5740AT」¥16,000(税抜)

[問]
・atmos 千駄ヶ谷
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-16-9  
TEL:03-5843-1017
抽選応募期間:3月16日(火)9:00 〜 3月19日(金)10:59
(※抽選応募は〈atmos〉オンラインストアにて)

〈New Balance〉公式オンラインストア
ニューバランス六本木19:06

下野宏明 / 国井栄之 – バックボーンを大事にしつつ、今のテンションをダイレクトに表現

東京・上野の1軒のスニーカーショップでありながら、国内外に強い影響力を持つ『mita sneakers』。ここで25年もの歳月にわたりスニーカーに携わっているクリエイティブディレクターの国井栄之は、昨年20周年の節目を迎えた〈WHIZLIMITED〉のデザイナー、下野宏明とタッグを組んでコラボスニーカーをリリースすることが多い。両者による〈New Balance〉のコラボレーションもこれで12作目。二人が手がけた今回のM57/40は、スウェードやメッシュの素材感とインパクトのあるカラーリングが特徴的なモデルに仕上がった。

お二人がコラボレーションする時の基準は何でしょう。

国井:僕の場合は“そのブランドのアイデンティティが感じられるかどうか”です。ロゴを外したらどこのものか分からないような靴はやりたくない。僕はスニーカー屋として、新しいストーリーの中にそのブランド本来のバックボーンやヘリテージ要素を織り交ぜるように心がけているので。

下野:スニーカーはどれも好きなので、“どのラインじゃないとやらない”とかはないですが、コラボってそのブランド名を使わせてもらうので、まずは売れるものにならないとダメ。それを自分の中の一定の基準に当てはめてから考えますね。その中でWHIZLIMITEDらしさをどう出せるか。

ベースモデルとなったM57/40を見た印象は?

国井:僕は開発段階の話やインラインモデルのフィードバックとかもさせてもらっていたので、成り立ちも分かっていて。今って全体的にトレンドも2000年代回帰じゃないですか。それこそ僕や下野くんが仕事を始めた頃の感じもありつつ、574のアーカイブそのままではなく、New Balanceらしいイノベーション哲学も入っているモデルだと思いました。

下野:正直、最初は難しいお題だと思いました。クラシックな574というより、見たことのない形だし、すごく今っぽい。アッパーこそ昔の感じもあるけど、ソールの雰囲気とか“21世紀だな”と。

今回はどのようにデザインを進めたのですか。

国井:いつもそうですけど、下野くんが全体のデザインをして、そのパーツやディティールの素材を僕の方でアレンジします。今回はWHIZLIMITEDが20周年の次の年で、これまでとは違うカラーパレットだったので、僕もワクワクしながら進めました。

下野:ちょうどブランドも21年目で、コロナの影響で自分のパーソナルな部分と、これからのWHIZLIMITEDについてじっくり考えたタイミングでした。ブランド名もWHIZとLIMITEDの間を無くしたり。新しいブランドをやるくらいの気持ちで作った2021SSのテンションが、デザインにもそのまま反映されています。

お二人それぞれが考える、M57/40の最大の魅力ってどこでしょうか?

国井:僕が一番好きなのは、ディテールですけどシュータン裏の“The Intelligent Choice”という文字ですね。これはもう僕が感じるNew Balanceのイメージそのままというか。インテリジェントな人も、そう見せたい人も取り込む言葉だなと。

下野:僕はシューズを作る時はいつも服から発想するんですが、このベースモデルを家で試し履きしているときに浮かんだのは、テーラードのセットアップ。全体的にキレイ目なものにも合うテイストなところが好きですね。

New Balance M57/40 “NEO” “WHIZLIMITED x mita sneakers”「M5740MW」¥16,000(税抜)

[問]
・WHIZ TOKYO(※店頭販売のみ)
住所:東京都渋谷区神宮前3-21-6-1F 
TEL:03-5785-2644
URL:www.whiz.jp

・mita sneakers(※店頭販売のみ)
住所:東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル 2F&1F 路面店
TEL:03-3832-8346
URL:www.mita-sneakers.co.jp
(※上記2店舗は、週末は店頭販売のみ/在庫が用意出来た場合、週明けからオンラインでの販売を開始予定)

〈New Balance〉公式オンラインストア
ニューバランス六本木19:06

尾花大輔 – 細部にまで意味のあるデザインに

〈New Balance〉とのコラボレーションは今回が9作目。毎回コラボモデルで両ブランドのファンを歓喜させている〈N.HOOLYWOOD〉のデザイナー 尾花大輔が今回、M57/40をベースにクリエイトしたのは、〈N.HOOLYWOOD〉のDNAとも言うべきミルスペックからインスパイアされたカラーアレンジとディテールワークを存分に盛り込んだ1足。

尾花さんとNew Balanceにはかなり深い関係性を感じます。

一番印象に残っているのは25年くらい前にアメリカ買い付けのときに出会った576。そのあと一番長く履いたのは、“N”マークを自分でひっぺがしてミニマルにした576で、今も会社の倉庫に持ってますよ(写真)。その後は加速度的に増えていって、いま自分の靴の棚の半分はNew Balance。デッドストック以外は人にあげたり、断捨離しています。でないとえらいことになるので(笑)。

M57/40を見た時の率直な印象は?

最初は紙で見たので、「“N”マークが埋もれてるな。どう料理しようかな」という感じだったけど、実物サンプルを見たら、全然前向きに考えられるモデルでした。/(スラッシュ)の入ったモデル名もそうだけど、ここからまた色んなことが始まるんだなというのも感じたし。あと、やっぱりモデル名を品番にしているのって最高ですよね。

今回のコラボモデルはどのようなプロセスで作ったのですか。

今回はパンデミックの影響で、コレクションに向けて準備していたものを全部一度白紙にして、方向性も一気に変えたタイミングでした。20年前にブランドを始めた時みたいに、ひとつずつにより意味を持たせたプロダクトにして行ったのですが、このコラボモデルもその流れの中で作っています。「自分たちがこのモデルを手がける役割は何だろう」と考えながら。スニーカーってほんの1ミリ変わると大きく印象が変わっちゃうので、色やディティールにはこだわらせてもらいました。

コラボモデル全体、そしてディテールで気を配った点はどういうところですか?

色に関して言えば、昔のミルスペックではなく、現行のミルスペックカラーを採用しています。トゥ部分の素材を中心に、サイドの素材使いも微妙に変えたり。ミリタリーアイテムってパッと見の印象だけじゃなく、「これは何だろう?」と考えさせるディティールがあるのが特徴なので、シュータンにウチ独自のスペックを入れたり、クリアソールから品番が見えるようにしていたりします。

それぞれのディテールにも意味が込められていますね。

あとは軍のプロパティらしくなるように、インソールですぐにN.HOOLYWOODと分からない位置にプリントしていたりもします。USネイビーのトレーニングウェアのロゴをモチーフにした、ウチがNew Balanceのモデルに必ず使うロゴも、ヒールの部分で少し違和感がある配置にデザインしています。スニーカーってみんな細かいところを見るし、特にNew Balanceはそういう部分に惹かれる人が多いので、ディティールワークは楽しいけど、結構大変なんですよ(笑)。

New Balance M57/40 × N.HOOLYWOOD TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE「M5740NX」¥18,000(税抜)

[問]
・Mister hollywood
住所:東京都渋谷区神宮前4-13-16
TEL:03-5414-5071
URL:〈N.HOOLYWOOD〉オンラインストア

〈New Balance〉公式オンラインストア
ニューバランス六本木19:06

[問]株式会社ニューバランス ジャパンお客様相談室
Tel : 0120-85-0997

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