ジャン=ミシェル・バスキアの絵画がアジアで最も高価な欧米作家作品に?
3月に香港で開催されるオークションに出品予定の絵画 “Warrior”が約33億〜44億円で落札される見込み
現代において、作品の評価が最も高いアーティストの1人と言っても過言ではないJean-Michel Basquiat(ジャン=ミシェル・バスキア)。彼の1982年の絵画作品 “Warrior”が、3月に香港で行われる「Christie’s(クリスティーズ)」主催のオークションに出品予定であることが明らかになった。
このたび出品される“Warrior”は、アクリル、オイルスティック、スプレーペイントで木製パネルに描かれた巨大作品。描かれている人物はBasquiat本人のような頭髪をしており、剣を振るう姿が特徴だ。この作品の主題は“残虐行為”であり、“国家暴力の脅威”を念頭に置いて制作されたという。「Christie’s」の戦後および現代美術の国際ディレクター Cristian Albu(クリスチャン・アルブ)は“Warrior”について、「これは単に“傑作”ということに尽きる。(この作品が製作された)1982年当時、Basquiatはアート界の頂点に立っていました。これを見ると、まるで彼の自画像のようです。彼は自分が表現したいことを表現するのに躊躇いがありませんでした」と述べている。また、Albuによると1981〜1982年はBasquiatの生涯において最も価値のある作品を残している時代と見なされ、この時期に制作された絵画は近年ますます希少となり、そのほとんどは美術館や民間の財団が所有しているそうだ。
本オークションでの“Warrior”の落札予想価格は、3,100万ドル(約33億円)から4,100万ドル(約43億円)が見込まれており、もし最低予想価格で落札された場合でも、2020年10月にドイツ人の現代アーティスト Gerhard Richter(ゲルハルト・リヒター)の作品が記録したアジアにおける欧米作家作品の最高落札額(約30億円)を超えることになる。さらに、これまでオークションに出品されたBasquiatの絵画の価格でもトップ10に入るのはほぼ確実だという。
“Warrior”は、3月23日(現地時間)より「Christie’s」香港で開催される“We Are All Warriors”に出品予定。詳細については、「Christie’s」の公式サイトで確認しよう。