イングランドの古豪サンダーランドが23歳に買収される

4シーズン前までプレミアリーグに所属するも、現在は3部で戦うクラブを立て直す

スポーツ
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世界各地に存在するフットボールリーグの中でも、最も群雄割拠の様相を呈するイングランド・プレミアリーグ。2013-14シーズンにプレミアリーグの1つ下のディビジョンであるEFLチャンピオンシップ(2部)に所属していたレスター・シティが、そのわずか2シーズン後にプレミアリーグの並み居る強豪を薙ぎ倒しチャンピオンになったことはその好例だろう。一方で、2010年代のプレミアリーグを盛り上げたストーク・シティとスウォンジー・シティが、2017-18シーズンに揃って降格してから3シーズン連続で復帰出来ていないのも、イングランドフットボール全体のレベルの高さを物語っている。

そして本稿で取り上げるサンダーランドもまた、ストーク・シティとスウォンジー・シティと同じく群雄割拠の荒波に飲まれたクラブの1つ。創設はリヴァプールやチェルシーよりも古い1879年。これはイングランド国内で最も歴史の長いクラブの部類に入り、第一次世界大戦前の約20年間で6度のリーグ優勝を果たし、1992年にアーセナルに破られるまで“国内で最も長く連続して1部に在籍”という記録も持っていた由緒ただしきクラブである。しかし、1970年代以降は1部と2部(時には3部)を行き来するようになり、2007-08シーズンから10シーズン連続でプレミアリーグに在籍していたものの、その期間の最高順位は10位(全20チーム)。そして、2016-17シーズンに最下位でEFLチャンピオンシップに降格すると、なんと翌2017-18シーズンもEFLチャンピオンシップで最下位となってしまい、3部にあたるEFLリーグ1に降格。すぐに復帰するかと思いきや、2018-19シーズンを5位、2019-20シーズンを8位で終え、今シーズンも暫定7位と、完全に“3部のクラブ”に成り下がってしまったのだ。

そんな古豪を救うべく立ち上がったのが、現在23歳のKyril Louis-Dreyfus(キリル・ルイドレフュス)である。Kyrilは、世界有数の穀物メジャーとして知られるオランダの総合商社「Louis Dreyfus Company」の創業者一族の跡取りで、フランスの名門オリンピック・マルセイユの元オーナー Robert Louis-Dreyfus(ロベール・ルイドレフュス)の息子。昨年12月24日(現地時間)にクラブとの間で買収が合意に至り、EFLリーグ1に審査書類を提出。そしてこのたび、晴れてリーグ側からの承認を得たことで買収手続きが完了し、“イングランドフットボール史上最年少の会長”が誕生することとなった。

サンダーランドは現在、昇格プレーオフ圏内と1ポイント差の7位。Kyrilの潤沢な資金力があれば、最速となる2022-23シーズンでのプレミアリーグ復帰も夢ではないだろう。1シーズンでも早く、あのレッド/ホワイトの縦縞模様のユニフォームをもう一度プレミアリーグで見たいところである。

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