Spalding から WILSON® に変更された NBA の公式球のせいでシュート成功率が大幅に低下?
デビン・ブッカー「試合ごとにボールの感触が違う」

NBAは1983年から続いていた〈Spalding(スポルディング)〉製の公式球の使用を2020-21シーズン限りで終了し、2021-22シーズンより〈WILSON®(ウイルソン)〉製の公式球を採用しているのだが、フェニックス・サンズのDevin Booker(デビン・ブッカー)をはじめとする多くの選手が不満をあらわにしている。
〈WILSON®〉は選手たちが急な変化に戸惑わないように〈Spalding〉製とサイズおよび素材を全く一緒のものとしたのだが、グリップ力を高めるためにボールの溝を若干深めにデザイン。しかし、これは繊細なシュートタッチでボールを扱う選手にとっては大きすぎる変化だったようで、多くの選手がシュート成功率を落とす事態に。その筆頭がポートランド・トレイルブレイザーズのDamian Lillard(デイミアン・リラード)で、彼は3ポイントのキャリア平均成功率が37.3%だったにもかかわらず開幕戦では9本全てを外し、その後も調子は上がらず成功率はキャリアワーストの23.1%を記録。ダラス・マーベリックスのLuka Doncic(ルカ・ドンチッチ)やフィラデルフィア・セブンティシクサーズのJoel Embiid(ジョエル・エンビード)らも成功率を5〜10%も下げており、この理由についてDevin Bookerは「WILSON®製は試合ごとにボールの感触が違う」と語っている。
確かに全体的にシュート成功率は例年に比べて低い傾向にあるが、全ての原因が〈WILSON®〉製のボールにあるとは断言できない。そして、長年慣れ親しんだボールの変化に戸惑うことは仕方がないものの、Bookerの言っていることが本当であれば大問題だろう。はたして〈WILSON®〉がこの問題を解決するのが先か、選手たちがアジャストするのが先か……。
ちなみにNBAが〈Spalding〉との約40年にわたるパートナーシップ契約を終了した理由はこちらから。