Interviews : 野村訓市と佐野玲於が語り合う “Heron Preston for Calvin Klein” に凝縮されたカルチャー感

ヘロン・プレストンと〈Calvin Klein〉がタッグを組むことで生まれた魅力

ファッション 

5月にリリースされた〈Calvin Klein(カルバン クライン)〉と、ファッションデザイナー Heron Preston(ヘロン・プレストン)による“Heron Preston for Calvin Klein(ヘロン・プレストン フォー カルバン・クライン)”の春夏コレクションは世界中で話題を集め、大きな反響を生み出した。今回発表されたのは、その第2弾に該当する秋冬コレクション。前季に引き続き、ミニマルにまとめられたデザインと、1980〜90年代を彷彿させるシルエットやディテールが目を引く。サスティナブルなマテリアルを用いている点も現代ならではだ。

本稿では、ポップアップショップの内装を手掛けた「TRIPSTER(トリップスター)」代表の野村訓市と、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーであり、パフォーマー、俳優の佐野玲於が、会場コレクションの発売と同時に新しくオープンしたリミテッドストア『Calvin Klein 原宿』でプロダクトを手にしながら、その魅力について語り合う。そして、本コレクションを介して、〈Calvin Klein〉というブランドが持つカルチャー感について、ざっくばらんに意見を交わし合った。


そもそもの話になりますが、今回のコラボコレクションに限らず、Calvin Kleinにはどういったイメージがありますか?

野村訓市(以下、野村):オレはリアルタイムでブランドのことを体験してきている世代だから色々と話せることもあるけど、玲於ぐらいの世代はどういう印象なの?

佐野玲於(以下、佐野):やっぱりバック・トゥ・ザ・フューチャー(※)ですね!

野村:それはオレだよ(笑)!

※バック・トゥ・ザ・フューチャー:主人公が履いていたアンダーウェアに刻まれていたCalvin Kleinの文字から、名前だと勘違いされてしまう名シーン。映画のシーンはCalvin Kleinのアンダーウェアが誕生する以前の時代を描いていたことに起因する。

野村:オレは小学生のときに映画館で観たんだけど、Calvin Kleinをしっかりと意識したのはRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリペッパーズ)のAnthony Kiedis(アンソニー・キーディス)なんだよね。高校生のときに、AnthonyがCalvin Kleinのボクサーパンツにマーチンを履いてポーズを取っている写真がインタビューか何かで載っていて、それがカッコいいと思っていた。それに、ブリーフの生地なのにボクサーショーツの形っていうのが当時は新鮮だったんだ。そこからアンダーウェアが全部Calvin Kleinになったね。今でも履いてるけど。

佐野:僕からすると、Calvin Kleinのアンダーウェアは少し高級な下着というイメージがあります。ダンサーの先輩が履いていたりしたんですけど。

野村:そういうイメージはあるよね。あと、バックパッカーだった頃に、水着がなくてボクサーパンツで代用したりしたんだけど、あれで海を泳ぐのはやめた方がいい。塩でゴムが死ぬから。それはやっちゃだめってことは、この機会に言っておきたいかな。湖とかではいいだろうけど。

佐野:あはは!

野村:あとはキャンペーンビジュアルだね。CK ONEの広告とか印象的だったな。その後に他ブランドがインスパイアされたり、影響力はすごくあったけどね。高校生の頃はCalvin Klein Jeans(カルバン クライン ジーンズ)。フォトTシャツをけっこうリリースしていて90年代にすごく流行ったんだ。Bruce Weber(ブルース・ウェーバー)のフォトTシャツとかはオレも持っていたかな。探せば何枚か出てくると思うんだけど。今、みんな欲しがってるよね。すごく出来がよかったから。玲於は、Calvin Kleinの洋服を集めたり着たりっていうのはあるの?

佐野:大人になってスタイリストさんに教えてもらったりしている感じですね。今日も、こうして訓市さんの話を聞きながら『そうだったんだ』って。

野村:まぁ、そうだよな。90年代前半にCalvin Klein Jeansがすごくいいセーターを出して。当時、日本に多く出回らなかったんだけど、それをニューヨークでまとめ買いしたのを今も持ってるよ。30年前の洋服だけど、全然そう見えない。今でも着れる感覚っていうのはあるね。

会場に置かれているHeron Preston for Calvin Kleinの秋冬コレクションに触れてみて、どう感じられましたか?

野村:デザイン的にはベーシックなものだよね。あえて奇抜なものを作っているわけでもないから、今着ている古着と合わせても、そのままいけちゃうと思う。

佐野:本当にそうですよね。どんなスタイルにも合わせやすいですし、古着との相性も良さそうです。

野村:玲於も古着、すごく好きだもんな。

佐野:好きですね!あと、前季(春夏コレクション)のポップアップにも行かせてもらって、そのときにスウェットやTシャツをいただいてよく着ているんですけど、生地がすごく分厚くて、タフ感があるのがいいなって。

野村:めちゃめちゃヘビーオンスだよね。オレももらったけど、けっこう肉厚でガッシリしてるから長く着れると思う。だけど、オレはもう歳なんで、タイミングを見計らって着ないと肩が凝るっていうね(笑)。

佐野:あはは!洋服は少しでも軽い方がいいですか?

野村:うん。歳をとると軽さは正義だからさ。冬になればPコートが着たいときもあるんだけど、もう5年くらい着ていないかな。ヘビーメルトンで海軍モノだって聞くと、それだけで引いてしまう。

佐野:ある意味、筋トレ的なキツさが(笑)?

野村:そうそう。今回のコレクションはそこまで重たい洋服というわけではないけど、ヘビーオンスであるという点に面白さを感じたけどね。最近のは軽くて柔らかい、っていうのばっかりだからさ。

佐野:確かに。このHeron Preston for Calvin Kleinにしてもそうなんですけど、素材が本当に良いものを身につけていると、高い頻度で着ていても全然型崩れしないんだなって。僕、ダンスばっかりしているので楽に長く着れる最近の洋服が必要なんですよ。

野村:って言うけど、普段は良質な古着ばかり着てるけどな、玲於は。

佐野:いや、そうなんですけど(笑)。でも、前季のスウェットは何度も洗濯しましたけど毛玉にならないですし、本当に良いです。そこにブランドに強さや魅力を感じましたね。

素材の話題になりましたが、Calvin Kleinはサスティナビリティをブランドとしても重視しています。今回のコレクションに関しても、そこに重きを置いて作られていますが、そこに関して思うことはありますか?

野村:ちょうど玲於ぐらいの年齢から30代までのアメリカの友達は、わりと自然体で環境に配慮したもの作りを行う連中が増えてきていて、それがすごく面白いと思うんだよね。声高に謳うわけではなく、普通にオーガニックコットンやリサイクル素材を使っていたり。彼らは自分が洋服を作るのであれば、ブランドのイメージはハードであっても、環境汚染に繋がるようなことをするのは嫌だって考えているんだよな。その感覚が日本よりも当たり前になっているのかな。だから、Heronにもそういう考えがあるんだろうなって思うけどね。そういったサスティナブルな素材を使うことをブランドの特徴にするのではなくて、ごく普通に使う人たちが増えてきたらいいなって思うんだけど。で、それを実践するときに、いきなり全部をやろうとすると無理が出てくるじゃない。だから、できるところからやろうとするのはすごくいいんじゃないかな、と。どう思う?

佐野:同感です。僕もそういう自然でシンプルな考え方が好きですね。

野村:じゃあ、この会場の内装に使ったコンテナを再利用してベッドとか家具を作ってやるよ。ポップアップが終わったら。

佐野:えっ、ベッドとか作れちゃうものですか?

野村:全然作れるし、そういうのでいいんじゃないかって思うけどね。オレも内装をやっているけど、これじゃなくちゃいけないっていう決め事なんてないし、家具はいずれ壊れるものじゃん。そこで、あんまり無駄にしたくないなぁっていうのはあるよね。エコという意味ではなく、無駄なものを買って捨てるのってすごい労力じゃん。廃棄はしないに限る。そういう意味でいくと、玲於はすごくサスティナブルだよね、ファッション的な意味で。

佐野:そうなんですかね?

野村:だって古着がすごく好きじゃん。古着の文化が定着したのは、もう3、40年くらい前になるのか。そこから出回っている洋服を着ているわけじゃない。その洋服は、玲於の年齢よりも長く、この世に存在しているかもしれないだろ。

佐野:そうですね(笑)。はるかに年上かもしれません。

野村:本当に良い洋服は、今後、玲於が何らかの理由で着なくなったとき、後輩にあげて、そいつがまた大切にしていくっていうサイクルができるものじゃない。サスティナブルって、再生がどうとか製法がどうとかって言うけど、結局のところ長く使い続けられるものがサスティナブルだと思うんだよ。洋服を捨てないことってすごく良いことだから。そういう意味で玲於はすごくサスティナブルだと思うよ。まだ若いのに、価値があるもの選んでちゃんと着ている。

佐野:僕の場合、ダンスを始めた頃、お金がなくて買えたのが古着くらいしかなくて。とは言っても90’sのスポーツ古着みたいなものとか。私服とダンスで併用できるものっていうのが、ファッションへの入り口でした。それに、地元が中野で古着屋が多い高円寺が近かったのもベースにありますね。あとはダンスの先輩から洋服をいただいたりっていうのも多かったです。そうか、そういうのがサスティナブルとも考えられるんですね。

野村:そうだよ。わけのわからない新品を買って、大して着ることもなく1シーズン過ぎて捨てちゃうなんてことないだろ。

佐野:ああ、それはないですね。

野村:だよな。全員そうなりゃいいんだけどね。

内装は野村訓市さんが率いるTRIPSTERが手掛けられたわけですが、玲於さんはどういう点に惹かれましたか?

佐野:やっぱり気になるのが入り口のスピーカーです。これ、めちゃくちゃカッコいいですよね。

野村:これね、音もいいんだよ。1回、爆音で音を出したんだけど。

佐野:そうなんですね!これはHeronに関係のあるものなんですか?

野村:うん。Heronの写真をチェックしていたときにDevon Turnbull(デボン・ターンブル)のスピーカーがキーエレメントになっていたんだよね。それで、今回のポップアップでも使えないのかって話になったんだけど、Devonとも交流があったから、オレがコンタクトを取ったんだよ。それでこういう形になった。HeronとはNYで会ったこともあるし、一緒にパーティをやったこともあって、どんな人間なのかは知っていたからさ。ちゃんと世界観が表現できるようにってことで用意したんだよ。

佐野:僕もHeronがDJをしている現場にいたことがあるんですけど、それがすごく印象的で。すごく自由にプレイしますよね?

野村:何でもかけるよね。

佐野:はい、それが面白くて、すごく楽しかったのを覚えています。

野村:(Heronは)DJするのが好きみたいで、1番盛り上がってたね、本人が。

佐野:一瞬モッシュっぽい空気になったと思いきや、いきなりメロウな曲流したり、ハウス流したりってう感じで。すごい繋ぎ方だなって(笑)。

野村:あれが日本人とは違うところかもしれないよね。NYのパーティってラウンジみたいな小さいハコでやることも多いし、色んな意味でもっと混沌している。何でもかかるし、とにかく盛り上がってる。それを見ているとこっちも楽しくなっちゃうっていう。その感じがHeronのDJにはあるのかな。

佐野:ああ、あれがNYのスタイルなんですね。あと、内装という意味では、コンテナの結束テープがオレンジ色だったり、Heronのキーワードが随所に散りばめられた空間作りが成されているのが素敵だと思いました。

野村:オレンジ、Heronの色だもんね。

佐野:はい。空間としてブランドのイメージにも合っていますし、世界観が統一されていますよね。

野村:Heron Preston for Calvin Kleinのメイングラフィックに掛け合わせたのが、オレンジのライン1個っていうのもいいよね。こんな風にシンプルなデザインでも成立するのであれば、それに越したことはないだろうからね。

前回に引き続き錚々たる面々が出てくるビジュアルやムービーも印象的ですが、どう感じられましたか?

佐野:めちゃくちゃカッコいいです。Nas(ナズ)がドンと出てきたりだとか。人選のレンジも広いし、今回のムービーにはダンサーも出演していて、前回に引き続きすごくインパクトがあります。

野村:Ricky Saiz(リッキー・サイズ)がムービーのディレクションを担当しているんだけど、この間「Heronのやつを撮るんだよ」なんて連絡があって、それがこれだったんだ。彼は本当に魅力的なクリエイターだよ。Heronとも仲が良いんだけど、こんな風に身内で仕事を回して面白いことをやるっていうスタンスがすごく良くない?

佐野:仲間同士でやっているんですね?

野村:そう。でも、友達だからっていう理由だけで一緒にやっているんじゃなくて、クオリティを考慮したうえで、たまたま適材だったのが才能ある友達だったっていうのがいいと思うよ。キャスティングに関しては、誰がやっているのか知らないけど、同様に関連がある人選になっているのもいい。今日の取材もそうじゃん。玲於とオレの関係値があるから、こうやって一緒に出てるわけだよね。

野村:仕事しようってときに「あいつに頼みたい」と思える仲間同士で回して、みんなでそれを作っていくっていうのはいいことだよな。だからこそ面白いものが表現できるんだと思う。

佐野:はい、それが理想的な形ですね。

Heron Preston for Calvin Klein 取り扱い店舗

カルバン・クライン 公式オンラインストア

カルバン・クライン 原宿店
東京都渋谷区神宮前6-27-8 1F
Tel:03-6427-3833

カルバン・クライン アンダーウェア 原宿店(アンダーウェアのみの取り扱い)
東京都渋谷区神宮前6-27-8 1F
Tel:03-6452-6450

カルバン・クライン 渋谷スクランブルスクエア店
東京都渋谷区渋谷 2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 2F
Tel:03-6712-5188

カルバン・クライン 心斎橋店
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-6-4
Tel:06-4708-7402

ヌビアン 原宿店
東京都渋谷区神宮前1-20-2
Tel:03-6447-0207

ヌビアン 渋谷店
東京都渋谷区宇田川町15-1 SHIBUYA PARCO 3F
Tel:03-6455-1076

リステア
東京都港区赤坂9-6-17
Tel:03-5413-3708

[問]カルバン・クライン カスタマーサービス(0120-657-889 / 平日10:00~18:00)

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