KAWS が自身の作品の偽造品を販売したアートディーラーを提訴
『HOMELESS PENTHOUSE』に対し約11億円の損害賠償を要求

現代アーティスト KAWS(カウズ)が、自身の作品の偽造品を販売していたとされるオンラインサイト『HOMELESS PENTHOUSE』の運営会社や関連企業数社を、商標権および著作権侵害で提訴したことが明らかになった。
『HOMELESS PENTHOUSE』は、さまざまなアーティストの作品やポスターなどの関連グッズをはじめ、デザイン性の高い家具やライフスタイルアイテムを取り扱うオンラインサイト。報道によると、同サイトでは今年10月の時点でKAWSの絵画や彫刻作品、フィギュア、ラグなど約160点が“オフィシャル”の商品と銘打って販売されており、アーティスト本人は「HOMELESS PENTHOUSEで扱っているKAWS作品と称するものは、全て偽物である」と主張しているという。KAWSの代理人を務めるRichard Golub弁護士は、本件について「多くのアーティストが自分の作品を保護することをしないアートの世界において、市場に出てこれを阻止しようとする彼(KAWS)の決断は大変興味深いものです」という見解を述べている。KAWSは今回の訴訟を提起した理由について、以下のような声明を発表。「偽物の複製品は、大衆文化にインスパイアされたオリジナルの芸術作品とは異なります。すべてのコレクターは、自身が所有する作品の真正性に自信を持つべきだと思います。長年にわたって世界中のコレクターを欺いてきた(彼らの)行為に対して、私はこのような違法行為を終わらせるために行動を起こします」
KAWSは『HOMELESS PENTHOUSE』らに対し1,000万ドル(約11億円)の損害賠償と、同サイトでの作品の販売差し止めを要求。彼は今回の訴訟で得た賠償金は、アメリカ・ニューヨークのホームレス支援団体に寄付することを宣言している。