Nike の CEO が SNKRS に導入された “Exclusive Access” の仕組みを明かす
〈Off-White™️〉x〈Nike〉Dunk Low “The 50” の購入権を得ることができたユーザーとは?

今夏リリースされたスニーカーの中でも、最も話題になったモデルといえば、Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が手掛ける〈Off-White™️(オフホワイト)〉x〈Nike(ナイキ)〉のコラボプロジェクト Dunk Low “The 50”だろう。同プロジェクトはクラシックなDunk Lowを50種類のカラーウェイで展開しただけでなく、その独特の販売方法も注目された。〈Nike〉が本モデルの販売方法として導入した新システム “Exclusive Access(限定アクセス)”は、『SNKRS』を通してインビテーション(招待状)を受け取ったユーザーのみが購入する権利を得ることができるというもの。既に本モデルの販売は終了しているが、どんなユーザーが購入権を得ることができたのかについては判明していない。しかし、先日行われた〈Nike〉の決算説明会で、同社CEOのJohn Donahoe(ジョン・ドナホー)が、この件について言及した。
「このアプローチでは、デジタルメンバーのターゲティングにデータサイエンスを活用し、SNKRSへのエンゲージメントや過去の購入経験などの条件に基づいて、Nikeメンバーにパーソナライズされた購入オファーを送信します。例えば、Off-White™️ x Nike Dunk Low “The 50”のインビテーションの90%は、過去2年間にOff-White™️とのコラボモデルの抽選に落選したメンバーに送られました。その結果、Off-White™️ Dunkは、何十万人ものメンバーの手に渡り、私たちが言うところの“スケールの大きいエクスクルーシブ”を実現しました。そして、このような消費者体験の向上は、ビジネス全体にも好影響を与えます。実際に私たちは、SNKRSで“Exclusive Access”の恩恵を受けた人々が、勝利のエネルギーに後押しされてより多くの消費をすることを目の当たりにしました」(John Donahoe)
今年初め、〈Nike〉の元副社長であるAnn Hebertの息子が、スニーカーの転売ビジネスに関与していたことがさまざまなメディアで報じられた。また、彼女もこの事件に関わったことが発覚し、『SNKRS』アプリが一般のメンバーには不利なシステムであるという批判が同社に殺到。DonahoeはHebertを辞任させた後、消費者の信頼回復に向けて努力することを公言していたが、今回の決算説明会でのコメントは、〈Nike〉が『SNKRS』の仕組みを透明化した最初の例の1つとなっただろう。