ヨハネス・フェルメールの名画『真珠の耳飾りの少女』が100億画素の画像になる
肉眼で鑑賞したときの倍以上の情報を得ることができる超高解像度の画像が無料公開中
オランダを代表する画家 Johannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)が1665年頃に描いた名画『Girl with a Pearl Earring(真珠の耳飾りの少女、または青いターバンの少女)』。その澄んだ瞳で鑑賞者に語りかけるような姿に虜になる者は多く、作品名を知らずとも印象に残っている読者の方も多いだろう。
過去に日本でも何度か展示されてきたが、所蔵するオランダの美術館『Mauritshuis(マウリッツハイス)』が数年前に貸し出しの中止を表明したことから、実物を鑑賞するにはオランダへと足を運ぶ必要があった。しかしこのたび、『Mauritshuis』がデジタルマイクロスコープメーカー「Hirox Europe」と共同で同名画の100億画素のスキャン化に成功したことを発表。現在「Hirox Europe」の公式サイトで無料公開されている。
100億画素とは93,205pixel x 108,565pixelという9,100枚の画像を繋ぎ合わせたサイズで、これにより肉眼で鑑賞したときの倍以上の情報を得ることができ、実際に画像を拡大してみると魅力的な瞳や唇が立体的に描かれていることが分かる。そもそもこのスキャン化は、Vermeerがどのように絵画を描き画材を使用していたか、そして修復方法と状態を調査するプロジェクトの一環として制作されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で美術館が閉館していることもあり、公開に至ったという。
なかなか直接お目にかかることができない名画を無料公開してくれる心意気には感謝だが、その感動を味わえる高解像度モニターがないというツラい現実も……。それでも見る価値はあるので、ぜひこちらからご一見を。またピクセル化の様子も以下の動画より確認してみてほしい。