LVMH が Tiffany & Co. の買収を撤回
背景にはアメリカによるフランス製品への追加関税をかける動きか
フランスのラグジュアリー企業体「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」が、アメリカ・ニューヨークを拠点とする老舗ジュエリーブランド〈Tiffany & Co.(ティファニー)〉の買収を撤回。両者は、162億ドル(約1兆7,192億円)での買収に合意していたが、「LVMH」側は、アメリカによるフランス製品に追加関税をかける動きがあったことを買収の撤回理由として挙げている。
2019年11月に発表された「LVMH」による〈Tiffany & Co.〉買収は、同社の弱点といわれていた宝飾品部門を強化し、アメリカへ事業を拡大してくことが狙いだった。買収の取引完了は当初2020年8月24日に設定されていたものの、11月まで延期されることが報じられていた。
「LVMH」の公式オンラインサイトでは、アメリカ政府がフランスに追加関税を課す意向を示していることから、フランス外務省が買収実施を2021年1月6日以降に先送りすることをを求めていたことを明かした上、〈Tiffany & Co.〉側も2020年11月24日〜12月31日までの延期を求めていたことから、取引を破談せざるを得ない状況に追い込まれたことを説明。また、2020年11月24日までに買収を終わらせるという従来の契約が守れないことから、買収合意を完了することができなかったと述べた。
これに反応し、〈Tiffany & Co.〉は「LVMH」を提訴することを公表した。同社のグループ取締役会の会長 Roger N. Farah(ロジャー・N・ファーラー)は「このような形でLVMHを提訴するという行動に至ったのは非常に残念ですが、弊社と弊社の株主を守るには訴訟を起こす他手段は残されていません。Tiffany & Co.は契約の義務を果たしており、2019年に合意した期日までに買収取引を終了させる意向でした。Tiffany & Co.はLVMHにも合意通りの買収完了を求めます」とコメント。
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