H&M が2020年内に170店舗を閉鎖へ
新型コロナウイルスの影響により2020年上期は約350億円の赤字に
スウェーデン・ストックホルムを拠点とし、世界中に店舗を展開するファストファッションチェーン〈H&M(エイチ・アンド・エム)〉が2019年12月~2020年5月期(上期)の決算を発表。売上高は前年同期比38%減の836億1,200万スウェーデンクローナ(約9,640億円)で、最終損益が30億6,300万スウェーデンクローナ(約350億円)の赤字と報告された。前年同期の53億7,200万スウェーデンクローナ(約620億円)の黒字から大きく転落した。
この結果は言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響によって世界各地の店舗を休業したことが大きな要因だ。同社が実店舗を閉鎖していた2020年3~5月期(第2四半期)の売上高は286億6,400万スウェーデンクローナ(約3,305億円)で、これは前年同期の売上のおよそ半分ほど。一方、この期間のオンラインでの売上は現地通貨ベースで前年同期比32%増と好調だったものの、実店舗での売上の減収を補うには至らなかった。
〈H&M〉は今回の事態を受けて、2020年内に世界中にある170店舗を閉鎖することを発表。この数は当初計画していた閉店数より40店舗多い。さらに、新規出店の数も当初の予定より減らす見込みだと言う。同社CEOのHelena Helmersson(ヘレナ・ヘルマーソン)は「パンデミックによって消費者の動向は急激に変化し、ファッション業界のデジタル化がより加速することは明らかです。当社も数年前から取り組んでいるデジタル化を強化し、店舗数の最適化、販売チャネルの統合などをさらに推進していくつもりです」と語っている。
同様の動きとして、先日〈ZARA(ザラ)〉の親会社「Inditex」がオンライン販売を強化するため、今後2年間に渡って1,000~1,200店舗を閉鎖することを発表した。コロナ禍において、これから業界全体でデジタル化の動きはますます加速していくことが予想される。
〈Nike(ナイキ)〉が2020年3月~5月期(第4四半期)の決算で約850億円の赤字を報告したことはご存知?