タリブ・クウェリがジミー・ファロンのTV番組にて Black Lives Matter について語る

自身の抗議運動、存在する制度的な人種差別の現状やアメリカのトランプ政権について

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ヒップホップ界の重鎮 Talib Kweli(タリブ・クウェリ)が、コメディー俳優 Jimmy Fallon(ジミー・ファロン)が司会を務めるTV番組『Tonight Show Starring Jimmy Fallon』のゲストとしてライブストリーミングに登場。現在アメリカ全土に広まっている抗議運動をはじめ、制度的人種差別の現状やアフリカ系アメリカ人が長年に渡って悩まされてきた警察による残虐な行為について自身の意見を述べている。

インタビューの冒頭では、ニューヨーク・ブルックリン区で育ったTalibが初めて体感した差別の実体験について明かしている。「私はブルックリンのパーク・スロープで育ちました。その頃、同じサッカーチームに所属していたイタリア人の子に“Nワード”で名前を呼ばれたのは記憶として今でも鮮明に残っています。その子の名前はNickで、サッカーチームの中でもイケている子でした。私も競争で勝てば彼と同じく、イケてる子の仲間入りになれると思い、競争で勝った際、彼に“勝ったぞ!”と自慢げに話しかけました。すると、彼が“そりゃ、そうだろう。ni**erなんだから”と言ってきたんです。当時、そのワードを使うのは良くないとは分かっていましたが、聞いたのはその時が初めてでした。その瞬間、勝利し、イケてる子の仲間入りになったという優越感が打ち消されました。その1つの単語で。まだ7歳か8歳だったので、言い返すこともできませんでした。その感情は今でも忘れていません。そして、今度白人が私に対してその単語を使用したら、反論なしでは済ませないことを心の中で誓いました」とTalibはFallonに語る。

Talibは、市民を守るという役割の元、徴収された税金で機能する警察官に対する出資を拒否するという動きや南北戦争にまで遡る賠償金の問題についても触れている。「黒人は自身が抱えるトラウマを内面化し、日頃身の周りで起こる差別を当たり前として捉えてきました。それが表面化された瞬間、人々は“どのように向き合ってるんですか?本当にごめんなさい…”という同情の念を示すのですが、私はずっとこの状況と闘ってきました。ずっと黒人として生きてきました。これは突然起こったことではありません」

それに続き、Talibは少年 Trayvon Martin(トレイボン・マーティン)が自警団員に射殺された事件を振り返り、その出来事が息子との関係を大きく変えたと打ち明けた。「George Zimmerman(ジョージ・ジマーマン)によるTrayvon Martin射殺事件が発覚した際、抗議者の声を広めるため、Harry Bellafonte(ハリー・ベラフォンテ)を筆頭に、影響力のある人々を多く集めました。そして、Harry Bellafonteが、私を正当防衛法(危険に対し、過剰防衛による致死を罪に問わない法律)の改善を求め、フロリダ州・タラハシーの州議会議事堂を占領していたDream Defendersに繋げてくれました。当時17歳の息子と共にフロリダ州にいき、Dream Defendersとともに建物を占領しました。それが私と息子が初めて一緒に参加した抗議運動でした」

インタビューの後半で、オンラインで出回っている警察の残虐な行為を捉えた映像を見たくないという意見も考慮しながら、Talibuは「賛否両論です。黒人の衝撃的な画像を共有してはならない、過去に黒人の死を目の当たりにしながら、白人がピクニックやパーティーを行っていたのと同様だからという意見もあります。そのトラウマを思い返したくないから画像を見たくないというのもわかります。ですがその裏を返せば、白人警官Derek Chauvin(デレック・ショビン)によって膝で首を圧迫され続け命を落とした故・George Floyd(ジョージ・フロイド)の事件を捉えた7分の動画が共有されたから、逮捕に至ったとも言えます。人によって耐えられない人もいます。それは重々承知です。ですが、目にすることで前進することもできます」

最後に、Talibは、トランプ大統領がアメリカ・ワシントンD.C.で平和に抗議運動を行っているアメリカ国民を抑えるために米軍を出動させたことに対し、「トランプ大統領自身は結束主義者であるという自覚はないかもしれませんが、確実に結束主義的方向に進んでいます。“略奪が始まれば発砲が始まる”と彼はツイートしていましたが、それは違法です。特に、国民を守るという約束のもと、徴収された税金で支払われている警察であれば。また、トランプ大統領は、暴動を起こしている黒人は凶悪犯であり、マスコミは人々の敵だと言っていますが、彼はそれらの“凶悪犯”やマスコミを撃つ権限が与えられていると思っています。私は、ニュースの生配信でCNNの黒人キャスターが逮捕されるのを見ました。この状況はあり得ないです。警察がマスコミを狙うということは、民主主義から共和国へ、名称はなんであれ、ファシズムと独裁主義が台頭してくるということです」と懸念の意を示した。

音声は英語となるが、上記のインタビューをチェックしてみよう。

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