KITH がアメリカ国外初となる旗艦店を渋谷にオープン

初のインターナショナル旗艦店『KITH TOKYO』は渋谷の『MIYASHITA PARK』内に誕生

ファッション 
80,000 Hypes

Ronnie Fieg(ロニー・ファイグ)の手がける『KITH』が待望の日本上陸を果たす。『KITH』史上初のインターナショナル旗艦店となる『KITH TOKYO(キス トーキョー)』。総面積744平米(8,000スクエアフィート)を誇る2階建ての今ストアは、渋谷の地に新たに誕生する『MIYASHITA PARK』内の一角を占める。ブランドの特徴であるヘリンボーン・パターンのカララ大理石のタイルを使用した外壁が高貴な佇まいを醸す。

中央のエントランスから店内に足を踏み入れたら、まず目線を上げてほしい。無数の〈Nike(ナイキ)〉Air Force 1のカスタムアートがドーム型の天井から壁にかけてデコレーションされているのだ。このインスタレーションは店外から見えるウィンドウディスプレイにも用いられている。『KITH』といえば、Daniel Arsham(ダニエル・アーシャム)の手がけたコンクリート製のAir Jordanはご存知の方も多いと思うが、AJ以外のモデルがモチーフに選ばれるのは今回が初だという。

ガラスタイルの廊下を進むと、向かって右側にはアパレルのスペース、左側にはフットウェアという1Fの構成。まさに“圧巻”という言葉が相応しく、これまで国内では取り扱いのなかった『KITH』のアパレルがフロアの端から端までずらりと並んでいる。なかでも東京ストアオープニングの限定アイテムは要注目だ。LEDを全面使用した光天井の効果もあってか、そのアイテム量とは反比例するようにフロア全体には開放感があり、優雅なショッピング体験を満喫できるだろう。本ストアは“KITH感”の漂う特徴的な要素が組み込まれているが、先述のAF1のカスタムアートのように、今回初となる試みを随所に取り入れている点にも目を向けたい。その最たるものが、フットウェアスペースの中央に鎮座する、過去にRonnieや『KITH』の手がけたシューズのアーカイブタワーだ。ガラスで作られた円柱を一周するようにディスプレイされたそれらのスニーカーやブーツは、いわばRonnieのキャリアの集大成であり、1足1足が『KITH』の歴史を物語っている。スニーカーヘッズにとっては、それだけでお腹一杯になってしまうような、宝の山(ならぬ柱)である。厳選されたフットウェアが並ぶカスタムステンレススチール棚もモノグラムパターンが刻印されており、細部に渡って本ストアにかける意気込みが感じられる。

2Fにへ進むと、こちらも日本初上陸となるキッズスペース。2019年11月に大型旗艦店としてリニューアルされたニューヨークのキッズストアをオマージュしたデザインを採用し、棚や店内の一部にマルチカラーのカララ大理石が使われている。大人用をそのままキッズに落とし込んだようなアパレルや『KITH』ならではのキュレーションによるトイなどが並ぶ。その隣は移転オープンとなるシリアルアイスクリームバー『KITH TREATS TOKYO(キス トリーツ トウキョウ)』。1950年代のアメリカン・ダイナーのノスタルジックな雰囲気からインスパイアされ、カララ大理石とカラフルなシートが店内を彩る。店を出てすぐの2階共用部分には屋上へと繋がる階段があり、アイスを片手にパブリックガーデンでのんびりするのも良いだろう。

今回のオープンを記念して、『KITH』x〈Nike〉Air Force 1 “Tokyo”がリリースされる。日本にインスパイアされた本モデルは、オールホワイトのレザーアッパー、ベルベット素材のライニング、トゥ部分のミニスウッシュ、日本の国旗をイメージしたシュータンラベルが特徴的なデザインに。クォーターパネルには『KITH』モノグラムの型押し、ミッドソールはヴィンテージ感のあるベージュで仕上げられている。東京旗艦店のみで入手可能な限定モデルとなり、アメリカやオンラインでのリリースは行われない。

『KITH TOKYO』は7月4日(土)オープン。安全確保のため、当面は予約制での営業となる。デジタル抽選会を実施し、当選者へメールにて事前に来店時間が通知される仕組みとのこと。詳細については公式サイトからご確認を。

KITH TOKYO
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North 1階、2階 Store No. 10800
営業時間:11:00〜21:00(当面は抽選入場)

また、オープンを記念して『HYPEBEAST』では、Ronnie Fiegへのインタビューを敢行。待望すぎる日本上陸にあたっての想いやストアのこだわりなどを伺った。

MIYASHITA PARKにKITH TOKYOを出店しようと思った理由を教えてください。

MIYASHITA PARKは渋谷の中心に位置します。渋谷のランドマークとなるインパクトのある建物、そこに全てが集約されていると言うのも決め手でした。渋谷駅から徒歩5分の場所にあり、施設内に出店している他のブランドは、私たちが日頃からインスピレーションを得ているハイファッションブランドばかりです。特にブランドを通じて“体験(エクスペリエンス)”を大切にしている私たちにとって、自然に溢れた公園が、屋上にあると言うのは大きな魅力です。こういった環境が私たちブランドの価値観に通ずるものがあるだけではなく、ブランドの個性を発揮するために必要な環境が充分に整っており、私たちのアメリカ国外初の旗艦店は最高の好機に至っていると思っています。

現在KITHで行われている取り組みのうち、どのくらいがこの新店舗に取り入れられ、また、日本独自の取り組みはどれくらい行なっていく予定でしょうか。

アパレルに関してはKITHのオリジナルコレクションーーメンズ、ウィメンズ、キッズに加え、厳選されたブランドとのコラボアイテムを展開します。店舗は1階と2階にあり、1階正面のエントランスから入り、右側にはメンズとウィメンズのアパレル、アクセサリーやライフスタイルアイテムが並ぶアパレルルームがあります。正面入り口に足を踏み入れると、ドーム型の天井には超壮大な“エクスペリエンス”ーーDaniel Arsham率いるSnarkitecture(スナーキテクチャー)と取り組みを行なった、他の店舗と同じAir Jordan 1ではなく、キャスト製のAir Force 1を起用したインスタレーションが広がります。アメリカ国外初の旗艦店、新天地への出店を記念し、新しいアプローチを行いたいと考え、このインスタレーションに決めました(KITHロンドンはSelfridgeでのインショップ型)。私たちがここにAir Force 1を選んだのは、私自身がAir Force 1の収集を始めた2000年代初頭当時、日本企画で誕生した“atmos”、“Taiwan”、“Hong Kong”、“Cocoa Snake”などのAir Force 1が次々と発売されていた事に由来します。それらは、Nikeの歴史において、コレクターの間で黄金期とも称される時代の象徴とも言えるモデルだと思っており、それらのスタイルにオマージュを捧げ、今回Air Force 1を起用したインスタレーションを行いました。まだあまりこの事を公表はしていないのですが、KITHの象徴的なパレットで彩られています。創設10周年に突入していくと共に、そのカラーパレットを今年と来年にかけて具現化していく予定です。キャストシューズに初めて色付けをした今回のインスタレーションは、フットウェアルーム側のショーウィンドウに、とてもユニークな構造で展示されています。また、壁はグレーからホワイトのグラデーションになったモザイクタイルが施されています。30メートルもある同店の正面玄関は、私たちブランドの中心とも言えるKITH Soho店と同じ幅です。フットウェアルームは、KITH史上初の、私がこれまでに手掛けたコラボフットウェアに焦点を当て、特別な展示スペースを設けました。このアーカイブは私の歴史そのもので、東京店でこれを披露できる事を嬉しく思っています。

ディスプレイにはサンプルやリリースされていないものも展示されるのでしょうか。

どうでしょうね(Fiegは意味ありげに笑った)。展示は常設で、ディスプレイするシューズが変わっていきます。それを使って様々なストーリーを語っていきますが、まずは私たちのコラボレーションの歴史から始めたいと思います。内容は変わっても“ミュージアム”はそこにずっとあるように。これまでアメリカ国内で店舗を出店してきましたが、常に私は、東京で旗艦店を出店させたいと思っていました。そしてここに至るまで9年もの歳月を要しました。いつの時も、東京にオープンさせるにはまだ足りない、東京にオープンをさせるのは自分達の最高傑作となるお店だ、という思いがあったからです。東京での店づくり、こだわり、見え方や感じ方がアメリカのそれとは少し異なり、東京で作りたいと思ったものは、他のどこの国に求めるそれともまた別のものでした。その結果、店舗は最高のものとなりました。マルチカラーの大理石、ガラス、ステンレスをふんだんに使用し、ロゴをモノグラムにした壁紙は、中でも特別です。そして、2階建ての店舗ーーメンズとウィメンズが1階、キッズとKITH TREATSが2階。KITH TREATSは以前より東京にオープンしているため、東京でも既に多くの方にファンになってもらえていると思います。そして、私はいつも親友のジュンヤ(俣野純也)に自分の思いを語り、話し合ってきました。

ジュンヤさんがお店のマネージャーになるんですよね?

マネージャーではなく、KITH TOKYO全体を見るディレクターをジュンヤが担っていきます。だからこそ、私たちは最高の状態で東京に上陸出来るのではないかと思っています。オープニングの時に来日出来ないのは、非常に残念でなりません。

それについて伺おうと思っていました。オープニングに来日が出来ない心境を聞かせてください。

それはもう本当に残念です。初めて東京に行った時から、東京にお店を持つ夢を描き、存在感のある凄いお店を持ちたいとずっと願ってきたので。ただ、親友のジュンヤと一緒にこのプロジェクトに取り組めることはどんな状況下でも、本当に嬉しく思っています。私は初めて東京を訪れた際、商品だけではなく、全てに対し細部までに拘る日本人特有の感性、そして誰に対しても尊敬の意を示すという文化に衝撃を受けました。それからというもの、いつもみんなに「東京は今まで行った中で一番インスピレーションに溢れる街だ」と話しています。いつか日本で少し暮らしてみたいなと思っています。

お店についていくつか質問をさせてください。先ほど、アパレルはKITHのオリジナルとコラボのラインナップということでしたが、フットウェアに関してはコラボのみまたは、色々なブランドを取り扱うご予定ですか。

フットウェアはブランドを厳選しメンズ、ウィメンズ、キッズで展開します。アパレルはオリジナルを中心とし、アクセサリーや小物はオリジナルと厳選したブランドのアイテムをセレクトしています。

KITH TREATSに関して、日本限定の商品やフレーバーはありますか。

東京チームと共に考案したKITH TREATS TOKYO限定のフレーバーを提供します。以前のKITH TREATS TOKYOでは取り入れていなかった、新たな抹茶フレーバー、日本ならではの食材を使用したフレーバーなど何種類かが増え、変化を加えています。

店舗について再度お伺いしたいのですが、カララ大理石が随所に使用されているそうですね。

その通りです。ファサードは全て、白とグレーを基調とした、カララ大理石を使用しており、内装にはまた別の大理石を使用しています。

カララ大理石といえば、KITHの象徴的な内装の一つだと思いますが、カララ大理石へのこだわりはどこに由来していますか?

それは、ブランド初めての旗艦店となるブルックリン店をオープンした時にまで遡ります。KITH Brooklynはオープン当初、フットウェアのストアとして始まりましたが、その後、フットウェアからカテゴリーを広げ、今のブランドの形の出発点となる第一号店になりました。Snarkitecture(スナーキテクチャー)と共にデザインを手掛けた際、自分たちのストーリーを伝えるため、まさに“キャンバス”のような真っ白な状態から構想を始めました。KITHというブランドを象徴する、素材や、色合いを見つけ出す必要があったのです。なぜなら、KITH BrooklynとKITH Sohoがまだフットウェアのストアとしてオープンしていた際、店内は人で溢れかえっていました。数々の趣向を凝らし、顧客を魅了する内装を施していましたが、耐久性が低く、風合いが出るまでに至らず、劣化が生じている事に気がつきました。そこで、フローリング材についてまず考え、丈夫で軽く、広々とした空間を演出してくれる、それも今、私たちの定番となったヘリンボーン柄に出来る資材、大理石に出会いました。大理石はとても頑丈な資材です。東京店の内装には、この大理石の様々な使用の仕方、柄を考えました。カララ大理石は耐久性があるという観点だけではなく、空間の見せ方という部分に置いても広々と見せてくれる特徴があります。狭い空間に暗い色の床材を施すと、実際よりもさらに窮屈な印象になります。これは私たちが培ったノウハウの一つです。カララ大理石、ステンレス、ガラス、この3つの資材はKITHの店舗を作る上で、欠かせないものになりました。そして、別の資材を店舗毎に1つ取り入れています。マイアミ店にはテラゾーを使用し、ロサンゼルス店には、真鍮を使用しました。定番の資材3つとは別にもうひとつ資材を加える事で統一感と変化をつけています。

新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大防止のための安全対策は、どのようにお考えですか。

とても厳しく実施します。難しい課題ではありますが、東京のチームは何度も熟考し対策を考案しました。また、日本人の消費者はその買い物の際のマナーに関してもとても礼儀正しいので、ベストな対策を講じていると考えています。私は日本人の商品を購入する際の並び方や、礼儀正しさ、マナーについて日本に行く毎に影響を受けています。私たちはお客様そして従業員の安全と健康を第一に考え、自分たちに出来る最善を尽くします。

社会不平等、抗議デモ、人種差別問題、そして新型コロナウィルス感染拡大に伴う非常事態宣言発令、本当に様々な出来事が今もまだ尚、アメリカで巻き起こっており、正直、経営の事を考えるには、あまりにストレスが大きい状況です。このような時期にお店のオープンを迎える事は望ましい事ではないかもしれません。事業の規模、更には多くの人が時間と労力を費やしてきたにも関わらず、通常のオープンが出来ない事も非常に心苦しい事です。

2020年東京オリンピックの時期にオープンする予定を組んでいましたか。

MIYASHITA PARKの開発テーマがそれで、オリンピックに向けて建設が進められていたと思います。東京オリンピック2020を記念して、私達も様々な計画を立てていました。このような事になってしまい、非常に残念ですが、当初から私たちが思い描いていた旗艦店は素晴らしいものが完成し、商品も予定通りのラインナップで取り揃える事が出来ています。日本の皆様には、一番の私達の目的とも言える、ブランドの“エクスペリエンス”をお届けする事は無事に出来そうです。

お気に入りのAir Force 1は何ですか。

KITH Miamiのオープンを記念して再販した“The Linen”です。また、12月に私の友人達に送ったフレンズ&ファミリーモデルや、これからお披露目されるAir Force 1 “Tokyo”もそうです。私は既にこのAir Force 1 “Tokyo”を履いていますが、既に私のお気に入りです。年齢を重ね、洋服に合わせやすい靴のデザインというのが、私にとってより重要な要素になってきました。私にとって、レッドはブラック、ネイビー、グレーなど、どんな色にも合わせやすく、どんなスタイルにも合う色です。また、このAir Force 1は、KITHとして初めてリリースする特別なAir Force 1です。長年私は、この時を追い求めてきました、そしてそれが形になった、特別な1足です。ニューヨークで育ちそしてAir Force 1をリリースするまでに至る、これは私の人生の中で、大きな出来事の一つとなりました。あとは、このAir Force 1の限定数量とリリース方法に関してですかね。

ぜひ聞かせてください。

これは東京限定のスタイルです。オンラインでの販売もありません。東京店の店頭でのみ購入が可能です。

良いですね!とてもオールドスクールで、コアなスニーカーヘッズのスタイルです。

まさにそれが狙いです!かつてのCO.JPからインスピレーションを得ています。デザイン、東京限定でのリリース、販売方法がどのように行われていたかなど。

今回のAir Force 1は、ある意味、数ある他の商品では成し得ていないニューヨークと東京の橋渡しを担っているのですね。

まさしくその通りです。私も私のキャリアも日本からの影響を強く受けています。1995年にJason Kidd(ジェイソン・キッド)のシグネチャーモデルが収集を始めるきっかけになり、2000年代初頭から更に本格的に収集を始めていきました。私がフットウェアに夢中になったのはこの頃です。当時、Nikeは本当に素晴らしい商品をリリースして盛り上がっていました。ニューヨークで日本人を見て(どのような格好をして、何を集めていたかなど)、日本限定のアイテムを入手するために、ネット上で日本にいる人々と連絡を取っていました。そして、益々のめり込んで行きました。今回のリリースは、その時の経験を活かし、スニーカーハントするスリルを与え、ニッチな嗜好を持ち、そして日本の消費者が商品に何を一番期待しているのかを知り、それを提供するという事を意識しました。短期間でそれを成し遂げることができたのは、とても嬉しいです。この期間はデザインの雰囲気、最も合わせやすいと思うもの、私が日本にどのように影響を受けてきたのかを思い出させてくれる良い時間でした。結果それは私自身が今一番履きたいシューズであることに気が付きました。

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