MoMa がノルウェー政府に対してピカソの稀少芸術の保存を訴える申し立てを行う
ノルウェーの建築遺産において重要な庁舎施設『Y-Block』の解体実施の取下げを要求

ノルウェー政府は、2020年2月にオスロの中心部にある建物『Y-Block』の解体を正式に発表した。ここはスペインの巨匠画家 Pablo Picasso(パブロ・ピカソ)とノルウェーのアーティスト Carl Neja(カール・ネスハル)の手掛けた壁画を見物することができるスポットとして知られている。
“漁師”と“カモメ”の壁画を貯蔵することは政府によって約束されているものの、活動家と一部の政治家は、建物自体を建築遺産として保存するべきと物議を醸している。壁画保存を掲げ、アメリカ・ニューヨークの『The Museum of Modern Art(ニューヨーク近代美術館/以下、MoMa)』も立ち上がり、ノルウェー政府に対し、建物の解体を見直すよう申し出た。
『MoMa』の代表者は、ノルウェーの首相 Erna Solberg(エルナ・ソルベルグ)と環境大臣 Sveinung Rotevatn(スヴァイニュン・ロテヴァテン)へ正式に書面を送ったという。公開された解体取り消しの申し立てでは「庁舎施設であるY-Blockの解体の決定について、懸念を感じています。解体はノルウェーの建築遺産の重大な損失を招くだけでなく、不運にも他でもPicassoの固有の壁画を保存することができず、移転させる動きを招く可能性があります」とされている。しかし、Carl Nejaの娘によれば、既に解体作業は進んでおり「移転作業により壁画にヒビが入らないか心配している。まだ、誰もどういう方法で移転させるのかを説明していない。その壁自体がアート」と語っているようだ。また、『Y-Block』の建築保存を求めた署名は47,000件以上集められたという。今後の政府の対応と進捗状況を追っていくことにしよう。
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