新型コロナウイルスの影響でラグジュアリー市場は2022年頃まで停滞か

2020年内には少なくとも35%の収縮を予想

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アメリカ合衆国・ボストンを本拠とするコンサルティング会社 「Bain & Company(ベイン・アンド・カンパニー)」が“Bain & Company Luxury Study 2020 Spring Update”という最新のラグジュアリーレポートを発行。これはイタリアの高級ブランド財団 「Altagamma(アルタガンマ)」と提携して発表されたレポートで、現在進行中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がラグジュアリー市場に与える長期的な影響を示している。

ラグジュアリー産業は世界の主要都市でのロックダウンと、観光業の停止によって世界的な打撃を受け、かつてないほどの課題に直面している。レポートによると、2020年の第1四半期に高級品の売上高が全体で前年比25%減少したと報告。第2四半期から年末にかけてさらにこの減少が加速し、通年で少なくとも35%の収縮につながる可能性があると予測している。

「Bain & Company」のパートナーの1人であるClaudia D’Arpizio(クラウディア・ダルピジオ)は「ラグジュアリーマーケットは(今後)回復するでしょうが、業界は大きく変革するでしょう。COVID-19の危機により、業界は多くの新しい消費者の要求とチャンネルの制約を満たすために、より創造的に考え、さらに迅速に革新する必要があります」と語った。また、他のパートナーは以下のように付け加えてる。「ロックダウンが徐々に解除されるにつれて、消費者の価値観が変化し、ラグジュアリーブランドはその事に適応する必要があるでしょう。安全は必須であるが、店舗での体験は魔法のような贅沢な時間を生み出してくれます。顧客を店舗に引き付ける、または製品を顧客に届ける創造的な方法がそれぞれのブランドの差異を生むでしょう」。

2020年初頭において、ラグジュアリー市場は中国、ヨーロッパ、アメリカ全体で好調な売上を記録したが、その後の世界的なパンデミックの影響により、当初期待されていた予想を遥かに覆した(これはスポーツウェアブランドにも同様)。さらに「Bain & Company」は、ラグジュアリー業界の回復にはかなりの時間がかかると予想しており、2019年の販売レベルを達成するのは2022年または2023年までかかり、その後徐々に成長が再開され、2025年までに約3,200〜3,300億ユーロ(約37兆2,000万〜38兆4,000万円)に達すると予測している。

この調査は、ブランドの消費者のニーズ、経済動向、観光など、さまざまな要因に基づいていることを強調している。「Bain & Company」が今後の市場について特に希望を持っている要素の1つは、中国の消費者の高級品に対する欲求だという。同社は、中国市場が2025年までに世界における高級品の購入のほぼ50%を占め、2019年の35%から増加するだろうと推測する。

また、2019年に2桁の成長を遂げているオンラインでの販売は、今後もシェアを獲得し続け、2025年までに市場の最大30%を占めると予想されている。これは、ラグジュアリー市場の主な消費者となる若い世代(YおよびZ世代)と動向と密接に関係しているという。

コロナ危機がもたらすリセールや古着市場への影響に関する『HYPEBEAST』のレポートはこちらから。

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