Stay Home Snaps:SNS / Sneakersnstuff エリック・ファーガリンド
“Stay Home Snaps”の最新回は、ストックホルム発のスニーカーショップ『SNS』こと『Sneakersnstuff』のファウンダーであるエリック・ファーガリンドが登場


Stay Home Snaps:SNS / Sneakersnstuff エリック・ファーガリンド
“Stay Home Snaps”の最新回は、ストックホルム発のスニーカーショップ『SNS』こと『Sneakersnstuff』のファウンダーであるエリック・ファーガリンドが登場
政府による緊急事態宣言を受け、現在多くの都道府県や地域において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のための外出自粛が呼びかけられている。様々な企業やブランドなどが、“おうち時間”を有意義に過ごすための施策やメッセージを発信している中、我々『HYPEBEAST』では、ストリートスナップならぬ“Stay Home Snaps(ステイホーム・スナップ)”という新企画を開始。これは、『HYPEBEAST』と縁のあるファッションを中心とした業界関係者の自宅写真と共に、外出自粛中の過ごし方やアドバイスをQ&A形式で伺うもの。今回は東京・代官山にオープンした旗艦店も記憶に新しいスウェーデン・ストックホルム発のスニーカーショップ『SNS』こと『Sneakersnstuff(スニーカーズエンスタッフ)』のファウンダー Erik Fagerlind(エリック・ファーガリンド)が登場。
日々のルーティンを教えてください。
時間の経過と共に変化しています。最初の数週はニュースを見るのことに集中し、休日のオフの格好で髪型も整えることはありませんでした。様々な出来事が世の中で起こっており、それに慣れようとしていました。今では、ある意味それがニューノーマルに定着しましたね。また、外出せずリモートワークであっても、ルーティンを定めることは大切だと感じました。私の日々の流れは以下のような感じです。
(6:45)起床。まずは、妻に「おはよう」と言います。これは私にとって大切で、ストレスがたまるとすぐ携帯でニュース、天気予報、メール、ソーシャルメディアなどを開いてしまうので、1日の始まりの数分を妻と過ごすことは、自分にとって何が大切なのかを思い出させてくれます。
(7:00)朝食。子供たちはすでに起きていて、テレビを観ています。共に朝食の用意をします。新鮮なブルーベリーとストロベリーをトッピングしたオーツ麦、ヘンプシード、チアシード、フラックスシード、パンプキンシード、ドライクランベリー、シナモン、カルダモンのおかゆを食べて1日を始めます。先ほど述べたように家族との時間を大切にしていますが、時にはそれが難しい場合もあります。様々な出来事が起き、ストレスがたまり、集中が出来なくなる時です。
(7:50)スウェーデンでは、ロックダウンの発令が一度もされなかったため、学校は通常通り開校しており必須とされています。7:50に2人の息子は学校に向かいます。私も時々一緒に同行します。
(8:00)1日の準備を始める。一度もロックダウンは発令されなかったものの、政府から社会隔離の習慣に慣れるという意味で自宅でのリモートワークが推奨されています。これにより、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大のスピードを遅め、スウェーデンの医療機関が崩壊しないよう、徐々に感染者数を平らにすることを促そうとしています。8:00に階段を上がり、シャワーを浴び、着替え、髪型を整えます。1日に備えてという感じですね。
(8:30)仕事を開始。ラッキーなことに3階建ての家に住んでいて、階段を降りた最下階には窓から庭園が見える部屋があるので、そこで仕事をします。メールを読んだり、昨夜考えていたことを書き留めたり、考えていたことへの答えを導き出したりなどしています。
(9:00)キャッチアップ(話し合い)。多くの時間はSNSのファミリーとコミュニケーションをとるのに費やしています。SNSは私とPeter Jansson(ぺーター・ヨンソン)が立ち上げたブランドであり、チームとの対話に多くの時間を注ぐ主な理由は2つ。まずは、インスパイアされるため。私たちのファミリーにはたくさん素晴らしいアイディアや考えを持っている方々がいます。耳を傾けることで、私自身も発想が豊かになります。2つ目の理由は、SNSがブランドとして歩む道を定めるため。勘違いしてほしくないのが、SNSのブランドとしての今後において、正しいこともあれば間違っていることもあります。ただ自分が満足する道を歩みたいんです。それを実現するために、できる限り多くの人と連携をとっています。また、セッションの合間には、創造力の活性化を心がけています。現在は音楽にとてもハマっています。古いレコードを引っ張り出してきたり。もっと研究するために新たなレコーディングスタジオの機材を買ったり。それ以外ですと、時には朝方に軽いワークアウトをすることもあります。短距離を走ったり、TRXトレーニングもやったりしています。
(12:00)ランチ。前日の残り物を食べることが多いです。私は料理をするのが好きで、最近はあまり旅をしなくなったのですが、旅をしない時は家の食事の大半は私が用意しています。
(13:00)キャッチアップと仕事。SNSは常に変化しています。毎回必ず話し合うべき事柄があります。リテール側について重点を置いて会議をすることもありますし、時にはもっとブランド側について話し合うこともあります。私自身は“現時点”にはとらわれず、未来を見据えた前向きな姿勢を保っています。ある意味バランスをとっているんです。朝方と同じような感じです。とても空気が重くなったり、休憩を挟まずノンストップで行われることがあります。緊張を解し、インスパイアされるために身の周りの物を用いて創造力を活性化させようと心がけています。
(14:00)子供たちが学校から帰宅。子供たちに1日どう過ごしたか聞くために少し休憩をとります。
(17:00)夕食の用意。毎日新たな料理を開発するのに苦戦していますが、いくつか定番の料理はあります。伝統的なスウェーデン料理にアジア、スペイン、ラテンアメリカのエッセンスを取り入れた料理です。歳を取るにつれ、自分の健康を第一に考えるようになり、炎症を引き起こすような炭水化物や糖分は避けようとしています。
(19:00)家族との時間。時には家族との時間を割くことが難しい日もあります。現在では、SNSはグローバルなブランドです。日によって、日本支店と会議をしたり、オレゴン州のポートランド支店やロサンゼルス支店と話し合いもしたりします。1日のうちでいつでもミーティングや呼び出しはあります。
(21:00)私と妻の時間。これは1日の中で私にとってとても大切な時間です。このような時期において、尚更大切な習慣になりました。現在の状況自体がストレスの要因でもあるので、今日はお互いどう感じているのか確認し合うことが大切なんです。
(23:00)就寝時間。30分間メール、ソーシャルメディア、ニュースなどをチェックします。私からの返答を待っている人がいないか確認すると共に、質問を送ったり、朝見ておくべきことについて指示をしたりします。
自宅で仕事をされる際、お気に入りのスペースはどこですか?
最下階にある裏庭に面した部屋に自宅オフィスを設置してあります。ですが、私自身は家の中を動き回ることが多いです。キッチンにいることも多いです。
自宅ではどのような服装で仕事をされていますか?
最初は気にしていませんでした。ですが、気分が変わることに気づいたため、普段仕事場に行く格好に着替えます。私の妻いわく、身だしなみや衛生管理を気にしなくなると、それはうつ病の初期段階を示す強い兆候だそうです。その因果関係はわからない問題ではありますが。1日が始まる際に、ルーティンを定めて準備をした方が、より身の周りに気を配ることができると感じました。
外出自粛のなか、食事はどうされてますか?
健康と満腹感の絶妙なバランスを見つけようとしています。炭水化物を含まず、砂糖を追加せずに済むケーキやデザートに挑戦しています。試行錯誤するのですが、そのルールを破ってしまうこともありますね……。
行動が制限されている状況ですが、どうやって心のゆとりを保っていますか?
精神的な健康を保つことは3〜4年前から心がけていることです。もしかすると外出自粛期間中によりそれを保つのが難しくなっているかもしれないのですが、優先順位が高くなったわけでもありません。セラピストから、この数年間、幸せを保つために日頃すべきことについて素晴らしいアドバイスを頂いています。またワークアウトは私にとって欠かせないものです。身体を動かすことでエドルフィンが生成されます。身体的に満足感が高まるだけではなく、創造力を活性化させてくれます。そのため、毎日軽いワークアウトをするよう心がけています。この外出自粛期間中は、いつも以上に時間があります。私はよく旅をしていました。自宅で過ごす時間が長くなった分、ミュージック、絵画など様々なクリエイティブ面を追求するようになりました。
現在、聴いている音楽や観ているテレビ番組/映画などを教えてください。
15歳から25歳にかけて聴いていた曲を繰り返し聴いたりしています。ですが、新たな音楽も人生において重要な役割を果たすと思っているので、見つけようと心がけています。ある意味、新たな音楽を見つけることで若さを保っています。それは、ヒップホップの黄金期、1990年代のR&B、Sade(シャーデー)、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)、Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)、Drake(ドレイク)、Bon Iver(ボン・イヴェール)などを混ぜ合わせた感じです。私は「Spotify(スポティファイ)」で“Nu”(スウェーデン語で現在を意味する)と題したプレイリストを作りました。好みの楽曲があれば、聴き飽きるまで、そのプレイリストに入れていますね。
映画やテレビに関してはまた違います。15歳から25歳にかけて観ていた映画だけを観ようとは思いません。現在は、もちろん『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』を観ています。全エピソードを送ってくれた方もいましたが、そういう風には観たくありませんでした。また『Westworld(ウエストワールド)』を観終わりました。コメディーもたくさん観ていますね。『デイヴ・シャペルのマークトウェイン賞受賞スペシャル』も素晴らしかったです。いつも以上にニュースは観ていています。『Messiah(メサイア)』もよかったですね。あとは『Billions(ビリオンズ)』『The Loudest Voice(ザ・ラウデスト・ボイス)』『Succession(サクセッション)』『Unorthodox(アンオーソドックス)』とか。
これまでの“Stay Home Snapsはこちらからご確認を。