“雇用を観光産業に最も依存している国”ランキングから見るコロナ禍の経済
カリブ諸島などの島国に大きな打撃
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続く中、世界中の国々で防疫対策の一環として厳格な入国制限が実施されている。その結果多くの国々、とりわけ島国では観光客が激減したことにより経済的な打撃を受けている。
様々なテータを収集する『Visual Capitalist(ビジュアル キャピタリスト)』によると、全世界でこの“旅行&観光”のセクターが合計3億3,000万人の雇用を支えているという。さらに『World Travel&Tourism Council(ワールド トラベル&ツーリズム カウンシル)』のデータにも基づくレポートでは、このセクターが世界各国のGDP(国内総生産)に毎年約10%(8.9兆ドル:約960兆円)貢献していると報告している。
アンティグア・バーブーダ、アルバ、セントルシアなどの44か国が、各国の雇用全体の15%以上を旅行と観光産業に強く依存。また、レポートでは観光産業への依存度が高くない国についても言及。例えば、スペインでは観光産業が経済全体の3番目の貢献者としてランク付けされているが、ロックダウンが9月まで実施された場合、同国では680億ドル(620億ユーロ:約7兆3,100万円)の収益を失うと予想されている。
過去10年間で、中国の旅行者と観光客は倍増し、1.6兆ドル(約172兆円)近くの利益を上げている。収益の成長を維持するために、最近中国と韓国は旅行制限を解除している。観光産業から最も多くの収益を得ている国のトップはアメリカで、その産業は経済に1.8兆ドル(約194兆円)を超える貢献をしている。アメリカは依然として新型コロナウイルス感染症の世界的な震源地であり、今年の夏までに国が入国制限を解除するかどうかはまだ発表されていない。
雇用を観光産業に最も依存している国
1位:アンティグア・バーブーダ
2位:アルバ
3位:セントルシア
4位:アメリカ領ヴァージン諸島
5位:マカオ
6位:モルディブ
7位:セントクリストファー・ネービス
8位:イギリス領ヴァージン諸島
9位:バハマ
10位:アンギラ(アングィラ)