20世紀を代表する写真家 ピーター・ビアードが死去

享年82歳

アート
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20世紀を代表する写真家であり、作家でもあったPeter Beard (ピーター・ビアード)が、4月19日(現地時間)にアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド東端の公園内で遺体で発見された。報道によると、Peterは以前から認知症を患い、約3週間前にモントークの自宅から姿を消した後、行方不明になっていたとのこと。享年82歳。

1938年にニューヨークで生まれたPeterは、幼少期に読んだIsak Dienesen(アイザック・ディネーセン)の小説 『Out of Africa(アフリカの日々)』に強い影響を受け、エール大学を卒業後の1961年にアフリカ・ケニアへ移住。動物保護区であるツァヴォ国立公園で管理の仕事をしながら、乱獲され大量死したアフリカ象の写真などを記録した最初の著書 『The End of the Game』を1965年に出版。同写真集は大きな反響を呼び、これまでに何度も再版されている。1979年には日本で展覧会も行われ、1993年には日々の生活の中で出会う物や写真、映像などに書き込みを加えてコラージュした日記をまとめた作品集 『Diary』を世界に先駆けてリブロポートから発行。同書籍のアートディレクションは、〈COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)〉のアートディレクターを務めていた井上嗣也が手がけた。

また、彼はその作品と同じくらい、奔放な私生活が有名であり、数多くの女優やモデルと浮名を流した。ニューヨークの伝説的なナイトクラブ 『STUDIO 54』の常連として知られ、Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)やSalvador Dali(サルバドール・ダリ)、Francis Bacon(フランシス・ベーコン)などのアーティストとも交遊を持った。彼のプロフィールには、「ニューヨークのナイトクラブにいるときも、アフリカの荒野の奥深くにいるときも、世界的に有名な写真家でありアーティストのPeter Beardは、ドラッグ、借金、美しい女性に囲まれています」と記されている。

Peterの無謀なライフスタイルは、しばしば彼の創造的な才能を覆い隠すように見えたが、紛れもなく20世紀の偉大な写真の遺産を残している。「Peter Beardとは、ジェントルマンであり、社交家、芸術家、写真家、預言者、ロサリオ(女たらし)、プレイボーイ、そしてドラッグの愛好家であり、最後の冒険家です」。

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